2013 Fiscal Year Annual Research Report
ｍｉｃｒｏＲＮＡを高効率に発現するＶＡ欠失型アデノウイルスベクターの開発
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24701021
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
近藤 小貴 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80451871)
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| Keywords | アデノウイルスベクター / small RNA / 発現システム / shRNA / microRNA |
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| Research Abstract |
microRNA（miRNA）は近年がん疾患のマーカーや治療のターゲットとして注目されている。miRNAの機能解析においてはRNAを細胞へ直接導入する方法が簡便であるが、本研究ではより低コストかつ定量的な方法としてアデノウイルスベクター（AdVs）を用いた高効率small RNA発現系の開発を行った。AdVsは多種多様な細胞へ高効率に遺伝子導入が可能であるためmiRNAやshort hairpin RNA (shRNA)などsmall RNAの発現システムとしても汎用されている。しかしAdVsはvirus-associated RNA (VA)というウイルス由来のsmall RNAを常に発現しており、VAはmiRNAやshRNAと同じ細胞内RNAi機構を介してプロセスされるため目的miRNAのmaturationを競合拮抗する可能性がある。ところがVA欠失AdVsの作製は世界的に困難であったため今まで検証されていなかった。申請者はVA高発現細胞株を樹立し、VAをtransに供給することでVA欠失AdVsの作製に成功したが目的遺伝子によっては作製が困難であったため、部位特異的組換え酵素を用いたより効率的な作製法を確立した(Maekawa et al., Sci. Rep., 2013)。そこでVA欠失AdVsの有用性を検討するため、shRNAを発現するVA欠失AdVsを作製しshRNAの効果を比較した結果、VA欠失AdVsは従来のAdVsのおよそ1/5量で同じshRNA効果が得られることを確認した(Pei et al., Sci. Rep., 2013)。これは大量のAdVsが必要な動物実験において非常に有用性が高いだけでなく、全ての実験においてAdVs感染による影響を最小限にするためにも意義があると考える。
本研究により従来のAdVsから微量に発現しているVAによりshRNAの効果が減弱する可能性が初めて示されたことから、VA欠失AdVsは今後のsmall RNA研究をより効率的に行うために非常に有用性が高いと考えられる。
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[Book] ウイルス2013
Author(s)
近藤小貴、前川 文、斎藤 泉、鐘ヶ江裕美
Total Pages
14
Publisher
日本ウイルス学会
