2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌の発生・進展におけるマイクロRNAの分子機能解析と革新的治療への展開
Project/Area Number |
24701029
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森田 和豊 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (00608862)
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Keywords | microRNA / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
肝細胞癌の発生、進展、転移、再発に関連するmicroRNA分子を同定するためにマイクロアレイにより発現の網羅的解析を行った。生体肝移植後肝細胞癌再発症例3例について、原発巣(T)、非癌部(N)、転移再発巣(M)から抽出したRNAを用いてマイクロアレイによるプロファイリングを行った肝癌原発巣および転移再発巣においてそれぞれ発現亢進しているmiR-18a, 発現低下しているmiR-199aを同定した。 このmiR-18a, 199aについて肝細胞癌に対する生体肝移植症例70例について検討したところ、miR-18aは癌部で有意に発現亢進しており、非癌部では有意に発現低下していた。臨床病理学的因子との解析を行ったところ、miR-18a高発現群ではAFP, PIVKAが有意に高く、腫瘍径が有意に大きかった。miR-199a低発現群ではPIVKAが有意に高く、門脈侵襲が有意に高率であった。また、miR-18a高発現群、miR-199a低発現群はそれぞれ無再発生存が有意に不良であった。以上より、miR-18a, 199aが肝細胞癌に対する肝移植後の予後因子となりうる可能性、肝細胞癌の生物学的悪性度に関連している可能性が示唆された。 肝癌細胞株を用いて、Western blotおよびルシフェラーアッセイを行い、miR-18aの標的遺伝子としてTNFAIP3を、miR=199aの標的遺伝子としてHIF1A、VEGFA、IGF1R、IGF2を同定した。 肝癌細胞株を用いて、細胞増殖アッセイ、細胞浸潤アッセイを行った。Anti-miR-18a、Pre-miR-199aの導入により肝癌細胞の増殖や浸潤が抑制されることを明らかにした。
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