2013 Fiscal Year Research-status Report
難治性白血病に対する同種造血幹細胞移植後の再発と感染症発症抑制に関する研究
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24701031
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
康 秀男 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90419698)
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Keywords | ゲノム疫学 / 同種造血幹細胞移植 / 腫瘍再発抑制 / 感染免疫 |
Research Abstract |
近年、造血器疾患患者の予後は飛躍的に向上しているが、治療抵抗例や化学療法後の再発例の予後は極めて不良で、同種造血幹細胞移植療法によってのみ治癒の可能性があると考えられているが、非常に高率の再発死亡と感染症などの移植後合併症が大きな問題である。移植後再発抑制ならびに感染症発症率の低下に関わる患者とドナーの免疫関連遺伝子の解明は、移植免疫による抗腫瘍効果ならびに感染免疫メカニズムの解明に寄与し、また、より良い予後が期待できる移植ドナーの選択や将来の新規免疫療法の開発にも非常に有用な情報となり、生存率向上につながることが期待される。 本年度は、収集された検体についてKIR16遺伝子の同定を行った。その内、HLA半合致移植施行例で、患者とドナー双方より同意の得られた患者29例とドナー29例からの58検体のKIR遺伝子型と移植後アウトカムとの関連を検討した。生存時間解析を施行したところ、KIRハプロタイプBxドナーからAA患者への移植はAAドナーからAA患者への移植に対して、1年再発率 0% vs 57% (P=0.135)、移植関連死亡 0% vs 20% (P=0.503)、生存率 100% vs 36% (P=0.098)、無イベント生存率 100% vs 23% (P=0.061)であった。以上の結果より、KIRハプロタイプBxドナーからAA患者への移植は、再発率と移植関連死亡低下、予後の改善につながる可能性が考えられ、将来の最適なドナー選択に有用な情報となる可能性が示唆された。本データに関しては、平成26年度の第36回日本造血細胞移植学会総会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体の収集が順調に行われているため。
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Strategy for Future Research Activity |
検体が収集ができた患者のフォローアップを継続し、移植後イベントを収拾していく。また、収集されたされた検体について、順次測定を行っていく。
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