2014 Fiscal Year Annual Research Report
アイスコアに含まれる花粉1粒ずつの遺伝情報を利用した古環境復元
Project/Area Number |
24710019
|
Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
Principal Investigator |
中澤 文男 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (80432178)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 氷河 / 花粉 / DNA / アイスコア / ロシア・アルタイ山脈 / WGA |
Outline of Annual Research Achievements |
WGA法による氷河中のマツ属花粉1粒ずつの全ゲノム増幅に成功した。マツ属の下位の階級には、2亜属、4節、17亜節、約111種が存在する。そのうち、ベルーハ氷河周辺にはシベリアマツとヨーロッパアカマツが分布する。本研究で同定されたマツ種は、シベリアマツ(Pinus sibirica)であったことから、開発した手法の正確性を確認することができた。アイスコアの深度の異なる花粉試料をDNA分析した結果、WGA反応の成功率が大きく異なることが分かった。そしてそれは花粉の古さではなく、氷河堆積後の保存条件によると考えられた。本研究では、過去100年間のマツ属花粉試料についてDNA分析を試みた。そしてそのほとんどは、シベリアマツ、もしくはシベリアマツが属するStrobus亜節と同定された。従って、過去100年間のマツ属の優占種はシベリアマツであったと考えられた。今後、さらに古い年代の花粉試料についてもDNA分析を実施していく予定である。
|
Research Products
(4 results)