2012 Fiscal Year Research-status Report
風力発電施設の立地選定における戦略的環境アセスメントの方法論
Project/Area Number |
24710028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
錦澤 滋雄 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70405231)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境アセスメント / 風力発電 / SEA / 市民参加 |
Research Abstract |
今年度は、研究の目的と実施計画に基づき、風力発電施設の立地選定について、国内の実地調査、海外事例の調査を行った。具体的には、主に以下の三件の調査研究を実施した。(1)沿岸域風力発電施設の住民認知状況の把握:国内の施設立地として期待される、沿岸域の風力発電施設を対象事例として、全国の行政に対するアンケート調査、茨城県内の施設周辺住民を対象とする戸別インタビュー調査(約120戸)を実施、(2)風力発電施設の紛争発生要因に関する研究:立地選定の鍵となる紛争発生要因について、全国の風力発電施設の立地状況について情報を収集し主な紛争発生要因を同定、(3)風力発電施設建設における米国簡易アセスによるアセス方法論の解明:簡易型のアセスによる調査・予測・評価、代替案検討の方法論の解明。 上記に加えて、次年度に予定している海外調査に先立ち、海外における風力発電施設の最新情報を国際会議等を通じて、発表・収集した。具体的には、この分野の中心的な国際学会である、国際影響評価学会(IAIA)大会に出席し、研究成果の一部を発表するとともに、風力発電施設の製造工場の見学等を行った。また、韓国で開催された再生可能エネルギーの国際会議に招致され(旅費等の経費は先方負担)、本研究課題の成果の一部を発表するとともに、当該テーマについて意見交換を行った。 なお、実施計画に記載していた国内事例の調査候補地のうち、三重県、岐阜県、長野県の三県については、前倒しで2011年度に別経費で実施したため、今年度は実施しないこととした。また、福島県に関しては震災復興の影響を鑑みて、今回は調査を見送り、今後、動向を見つつ、必要に応じて調査を実施する予定である。 本年度の成果は、(1)をIAIAに投稿済(条件付き採択)、(2)をIAIA年次大会で発表予定、(3)を不動産学会誌の特集記事として掲載予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で示した国内事例の調査、米国の風力発電アセスメントに関する調査研究については、一部を前倒しで進めていたこともあり、当初の計画以上の成果が得られたものと考えている。また、この成果の一部は本年度末に国際学会へ投稿し、条件付きで採択されたことから、成果の水準も高いといえる。このため、「研究の目的」の達成度は「(2)おおむね順調に進展している」と判断しました。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、以下の三点を計画している;(1)初年度の研究成果の公表:IAIA大会での発表、国内学会誌への掲載、(2)国内事例の実地調査:風力発電の戦略アセス方法論の事例調査、(3)風力発電の立地選定に関する海外実地調査。(3)については、当初は英国を調査対象地として予定していたが、米国が戦略アセスの代替案検討で事例の蓄積が豊富であり、米国を先に調査することを検討している。また、初年度の調査において、ドイツにおいてゾーニング制度と連携した特徴的な立地選定の方法論を採用していることが明らかとなり、調査候補地として検討することとした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、海外調査を実施する予定だが、為替の動向などにより、当初予定よりも経費がかかることも想定されることから、本年度の経費はできる限り残すよう配慮した。
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Research Products
(9 results)