2012 Fiscal Year Research-status Report
エコロジカル・タイム・ロス指標の開発とESDでの活用
Project/Area Number |
24710043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
後藤 忍 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (70334000)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 持続可能性 / 総合的環境指標 / エネルギー / ESD |
Research Abstract |
本研究で新たに開発を目指す「エコロジカル・タイム・ロス指標」について、関連する指標の調査を行った。これまで開発されてきた環境指標について、時間属性を有するものや、応用できるものを中心に、文献等から整理を行った。社会に投入される「入口」側のエネルギーについて、枯渇性エネルギー資源の「可採年数」にその国のエネルギー使用量を加味して、「損失時間」を推計する枠組みを整理した。また、エネルギーの使用に伴って排出される「出口」側の廃棄物についても、「浄化に要する時間」を推計する枠組みを整理した。 福島第一原子力発電所の事故を踏まえた世界的な動向については、2012年8月29~31日にスイス・バーゼルで開催されたInternational Sustainability Conferenceにおける「持続可能性を測定・評価する方法」に関するセッションなどに参加して、情報収集を行った。また、持続可能な都市づくりで注目されているドイツ・フライブルクのヴォーバン地区の再開発や、スイス・ベルンについて調査・見学した。 本研究課題におけるもう一つの大きなテーマである「持続可能な発展のための教育」(ESD)に関しては、ESDで育みたい力の一つに位置づけられている「批判力」について、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた、新たな教材を作成・公開した。また、これに関連して国内で学会発表を行うとともに、単著1冊、共著2冊を著した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大きく二つの研究目的のうち、「1.エコロジカル・タイム・ロス指標の開発」については、枠組みが整理できつつあるものの、まだ推計ができるまでには至っていない。 もう一つの「2.ESDでの活用」については、福島第一原発事故の教訓を踏まえて、「批判力」の育成を主目的として独自の教材開発を先行して行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「1.エコロジカル・タイム・ロス指標の開発」については、枠組みの構築につなげ、試算結果を示したい。 「2.ESDでの活用」については、今年度の経験を踏まえて、教材開発における課題を整理する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、文献やコンピュータソフトの購入に研究費の3割程度を充てる。 旅費として、国内の学会発表、ESDに関する国際会議への参加に研究費の6割程度を充てる。 残りの1割は、その他の経費に充てる。
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