2015 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンサプライチェーンマネジメント国際展開の推進条件に関する実証研究
Project/Area Number |
24710056
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
孫 穎 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (50536670)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GSCM / 共通価値の創造 / 低炭素化 / 企業パフォーマンス / 共分散構造モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)低炭素化と企業経営を両立させるため,グリーンサプライチェーンマネジメント(GSCM)による企業パフォーマンスへの影響構造を明らかにすることが重要である。本研究は、低炭素化企業経営に向けたGSCMの推進条件を提示するために、日本の製造企業を対象としたアンケート調査に基づき,低炭素化に関するGSCMの実施状況を概観し,GSCM実施と企業パフォーマンスとの因果関係モデルを構築した。GSCMの実施状況を概観した結果,サプライヤーとの連携とCSVの推進が遅れていることが示唆された。また,因果関係モデルからは,組織の取り組みと環境配慮型設計といった組織体制と管理技術に関するGSCM実施が,企業価値の向上を目指したCSRやCSVの推進を促進し,これらはまた外部との連携によるGSCM実施を推進してきたことが示唆された。さらに,環境配慮型設計とサプライヤーとの連携から負の経済パフォーマンスへの影響がみられるものの,環境配慮型設計から運営パフォーマンスへの促進効果や,組織の取り組みから環境パフォーマンスへの促進効果が確認された。環境配慮型設計の影響はさらに環境パフォーマンスおよび正の経済パフォーマンスを間接的に促進したことが示唆された。一方で,CSRやCSVの推進,顧客との連携からは企業パフォーマンスへの影響は示されなかった。今後,サプライヤーとの連携とCSVの推進を促進させ,GSCM実施が企業パフォーマンスの向上に貢献するよう,CSRとCSVの戦略的推進や,共通利益を前提にした企業間連携のあり方を開拓する必要があろう。 2)研究全体をまとめたうえで、日本と中国におけるGSCM実施の国際展開に向けて検討を行った。
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