2012 Fiscal Year Research-status Report
ステロイドホルモンのがん幹細胞への作用を介した放射線に対する乳腺応答の修飾
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24710066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
GUILLAUME Vares 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 研究員 (10415432)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 乳癌 / プロゲステロン / 放射 |
Research Abstract |
ステロイドホルモンによる放射線誘発乳がんリスクの修飾にがん幹細胞(CSC)が関与するかどうかを調べるため、プロゲステロン(Pg)およびエストロゲン(Es)処理後に放射線照射した細胞株に含まれるCSCの存在比率を測定した。その結果、PgはPg受容体(PR)を発現している細胞と発現していない細胞のどちらにおいても、CSCの存在比率が顕著に増大することを明らかにした。PRを発現していない正常乳腺上皮細胞由来のMCF10AをPgと放射線で処理することにより、がん関連および幹細胞関連のマイクロRNA制御(miR-22やmiR-29cの抑制制御棟)が誘導されたことから、その結果として放射線抵抗性のCSCの比率を増大させたと考えられる。以上のことから、ホルモンによるヒト乳腺の放射線感受性の修飾にはCSCが関与し、付加的ながんリスクをもたらすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一段階のインビトロモデル実験として、肯定的な結果を得ることができた。即ち、ステロイドホルモンと放射線によるがん幹細胞(CSC)の生成を観察し、幹細胞様の性質と一貫したマイクロRNA制御を見出した。また、プロゲステロン処理に応答した酸化ストレスの増大を測定し、さらに濃縮したCSCの性質(コロニー形成能、腫瘍形成開始能)を解析した。しかしながら最初の論文の作成について、査読者から追加的な改訂を求められているため、出版が遅れている。新しいデータが追加された改訂版が間もなく再投稿される見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
次のステップとして、Graham らの2009年の論文に記載されている、培養細胞中に埋め込まれた初代乳腺組織培養のモデルを用いることを計画している。このいわゆるオルガノイドモデルは、正常な乳腺組織で観察されるホルモン受容体の発現と細胞不均一性を維持していると考えられる。このモデルにおいても、CSCの生成が観察されるかどうか確かめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
The spending for this coming year is estimated as follow: - Organoid cell culture model 50万円 - Human tissue 30万円 - ALDEFLUOR Assay 10万円 - Misc. consumables 10万円 - Attending the 56th annual meeting of Japan Radiation Research Society 10万円
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