2014 Fiscal Year Annual Research Report
淡水環境における藍藻由来有毒物質の分解活性に及ぼす環境因子の解明
Project/Area Number |
24710081
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
清水 和哉 東洋大学, 生命科学部, 講師 (10581613)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 淡水資源 / 浄水処理法 / 藍藻類由来有毒物質 / 生物膜法 / 水圏現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界中の水源において富栄養化が進行しており、藍藻類による様々な弊害が報告されている。とくに水利用上において憂慮すべきは、人畜に多大な被害を与えている強力な有毒物質microcystinを産生する藍藻類である。有毒物質microcystinは藍藻類の細胞内で保持されるため、溶藻や微小動物等の捕食等により細胞内から洩れ出ることが知られている。実際にこれまでの結果において細胞外microcystinを水環境中から微量ながら検出してきた。しかしながら、本年度のモニタリング調査において、細胞外microcystinが検出限界以下となったことと細胞内外を合わせた総microcystin濃度が低い時期は、microcystin 分解菌の細胞密度も低いことがわかったことから、極めて細胞密度が高いmicrocystin産生藍藻類ブルームが発生している際には、細胞外microcystinが少ないことが考えられた。 総microcystin濃度が急減した際に、microcystin初発分解酵素遺伝子mlrA遺伝子の定量で得たmicrocystin分解菌の細胞密度が急激に高くなったため、環境中においてもmicrocystin分解とmicrocystin初発分解酵素MlrAが1対1の対応関係にあると示唆された。室内実験結果より見いだした環境因子は、microcystin分解が急激に発現した際に、変動があったことから、microcystin分解菌と関連微生物群が相互に連携し、microcystin分解を連鎖反応的に生じさせていると考えられた。
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