2014 Fiscal Year Annual Research Report
屋内環境におけるアンモニアの迅速な除去を可能にする光触媒材料の開発
Project/Area Number |
24710090
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
柳田 さやか 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (40579794)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光触媒 / アンモニア / 空気浄化 / ガラス / ガラスファイバ / 吸着剤 / 多孔体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンモニアは環境中の代表的な悪臭物質であり、わずかな濃度でも人に不快感を与えるため生活の質という観点からも屋内環境からの迅速な除去が求められている。大気環境中の有害物質の分解には酸化チタン光触媒が有効であるが、基質濃度が低い場合の反応は拡散律速となりやすく、分解に時間がかかることが問題であった。このような系において気相中の基質濃度を速やかに低下させ分解反応を効率よく行うには、光触媒を吸着剤と複合化し反応場付近に分解物を濃集させることが有効であると考えられる。本研究では①酸化チタン光触媒の表面修飾により、アンモニアの吸着・分解に優れる光触媒材料を作製すること ②市販の多成分系ガラスファイバクロスを水熱処理により多孔化して高い吸着性能を持つ担体を作製し、光触媒の固定化を行うこと の2点について検討を行った。 最終年度である平成26年度は作製した多孔化ガラスファイバクロス-酸化チタン複合体を用いて2-プロパノールの光触媒分解実験を行い、多孔化の際の水熱処理時間及び分解雰囲気中の水の存在が吸着・分解性能に及ぼす影響を調査した。ファイバクロス多孔化の際の水熱時間を30分から2時間の間で変化させたところ、水熱時間の増加と共に比表面積は増加する一方、分解生成物である二酸化炭素の発生速度は処理時間1時間をピークに減少していくことが分かった。これは多孔化がファイバ内部まで進行した結果、吸着場である細孔と反応場であるファイバ表面の距離が大きくなったためだと考えられた。また、分解実験の際に1600 ppm程度の水蒸気を導入したところ、ファイバは2-プロパノールと共に水蒸気を吸着したが、分解による二酸化炭素の発生速度には大きな差は見られないことが分かった。
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