2012 Fiscal Year Research-status Report
大電流重イオン加速のための、プラズマ輸送路による加速器への入射プラズマ制御の研究
Project/Area Number |
24710098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
柏木 啓次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 研究員 (30391303)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザーイオン源 |
Research Abstract |
本研究は、レーザーイオン源の下流に軸方向磁場を備えたプラズマ輸送路を導入し、プラズマの運動量広がりを利用してプラズマを進行方向に膨張させるとともに、ソレノイドによる軸方向磁場によりプラズマの径方向の発散を抑制してプラズマ輸送路出口でのイオン電流密度を制御する技術の開発を目的としている。 今年度は輸送路出口におけるプラズマのイオン電流波形の解析、輸送路に設置するソレノイド電磁石の検討、及び計測プログラムの作成を行った。 プラズマのイオン電流波形の解析では、外力の働かないドリフト領域(0.3m)と軸方向磁場領域(1m)で構成される輸送路を想定し、Shifted Maxwell-Boltzmann分布のプラズマがドリフト領域入口で発生すると仮定した。計算の結果、イオン電流波形の時間幅はおおよそプラズマ発生部からの距離に比例して増加するが、軸方向磁場が比較的弱い場合はイオンのサイクロトロン運動に起因した周期的なイオン電流密度の変化がみられ、輸送路出口におけるイオン電流波形が磁場の大きさに応じて変化することが明らかになった。また、実証実験に用いる炭素プラズマのデータをこの計算に適用した結果を基に、輸送路に設置するソレノイド電磁石に必要な仕様を検討した。 来年度の実験の準備として、レーザーイオン源の稼働準備を行うとともに、イオン電流波形やレーザープラズマ発生時の過渡的な真空度変化を計測するプログラムの作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラズマ輸送路における粒子の運動の解析及びソレノイド電磁石・プラズマ輸送電極の設計検討を行い、計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ソレノイド電磁石を含むプラズマ輸送路全体の製作を行い、レーザーイオン源テストベンチに据え付け、レーザープラズマのイオン電流密度制御・長パルス化実証実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ソレノイド電磁石およびプラズマ輸送電極の製作、消耗品、及び成果発表旅費等に使用する。
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