2014 Fiscal Year Research-status Report
大電流重イオン加速のための、プラズマ輸送路による加速器への入射プラズマ制御の研究
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24710098
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
柏木 啓次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 研究副主幹 (30391303)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザーイオン源 / プラズマ長パルス化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、レーザーイオン源とビーム引出部の間に軸方向磁場を備えたプラズマ輸送路を導入することで、プラズマの運動量の広がりによる膨張を利用してプラズマの長パルス化を行うとともに、ソレノイド電磁石の軸方向磁場によりプラズマの径方向の発散を抑制してプラズマ輸送路出口でのイオン電流密度を制御する技術の開発を目的としている。 平成26年度は、輸送路に設置する軸方向磁場を発生するためのソレノイド電磁石の製作、計測制御プログラムの開発、および軸方向磁場に対するイオン電流密度の測定を行った。 1)ソレノイド電磁石の製作:プラズマの径方向発散の抑制のためのソレノイド電磁石を製作し、プラズマ輸送路を0.5mから1mに拡張可能となった。 2)計測制御プログラムの開発:ソレノイド電磁石の励磁電流制御および、ファラデーカップによるプラズマのイオン電流の時間変化測定プログラムをLabVIEWで作成した。これらを平成24・25年度に作成したプログラムと統合することで各種パラメータを変更しながらの測定が効率的に行えるようになった。 3)軸方向磁場に対するイオン電流密度の測定:プラズマ輸送路のソレノイド電磁石によってプラズマを閉じ込めることにより輸送路出口でのイオン電流密度がどのように変化するかを調べた。レーザーイオン源内に設置したグラファイトへのレーザー集光位置を最適化することで、発生するイオンの平均価数が最も高くなる条件で測定を行った。ソレノイド電磁石の電流を上昇させるとともにイオン電流波形の最大値が上昇し、輸送路のソレノイド電磁石の磁場を変化させることでイオン電流密度を変化させることが可能であることが確認された。詳細な実験は平成27年度にて行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度はプラズマのイオン電流密度および長パルス化実証実験を行う予定であった。しかし、実験中にプラズマを発生するためのレーザーイオン源のステージ駆動装置が故障し、その修理に時間を要した。そのため、ソレノイドの磁場によるプラズマ電流密度変化の確認にとどまり、各種パラメータを変更しての詳細な密度制御および長パルス化実験については、次年度において実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した測定用プログラムを活用して、プラズマ密度制御および長パルス化の実証実験を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度はプラズマのイオン電流密度制御および長パルス化実証実験を行う予定であった。しかし、実験中に、プラズマを発生するためのレーザーイオン源のステージ駆動装置が故障しその修理に時間を要したためプラズマのイオン電流密度制御および長パルス化実証実験が未実施となり、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助事業の延長を行い、平成27年度にイオン電流密度制御および長パルス化実証実験等のの経費に計画通り使用する。
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