2014 Fiscal Year Annual Research Report
フライパス法の高度化による微量試料のパルスミュエスアールの開拓
Project/Area Number |
24710101
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
伊藤 孝 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究員 (10455280)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子ビーム / ミュオン |
Outline of Annual Research Achievements |
パルスμSR実験における信号対雑音比(SN比)の大幅な向上を目指し、J-PARCミュオン実験施設D1エリアにおいてフライパス法の高度化に関わる以下の研究開発を行った。 (1) ビームチューニングの最適化: ビーム軸方向に走査可能なミュオンビームプロファイルモニターを開発し、試料位置周辺の3次元的なビームプロファイルを取得した。これと計算機シミュレーションの結果に基づいてビームチューニングを再検討し、最終的にフライパス法に適したミュオンビームを引き出すことに成功した。なお、ミュオンビームプロファイルモニターの詳細については、Nucl. Instr. Meth. A 754, 1-9 (2014)に報告済みである。 (2) 試料チェンバー(フライパス真空チェンバー)の最適化: モンテカルロシミュレーションの結果に基づいて試料チェンバーを再設計し、製作物をJ-PARCミュオン実験施設D1エリアのμSR分光器に設置した。この試料チェンバーを用いることにより、μSR実験におけるSN比の大幅な改善が期待される(計算上、3 mm×3 mmを覆う試料に対し、SN比~1)。ミュオンビームを用いたSN比の検証は、最終年度の2月上旬にミュオン実験施設において発生した電磁石電源火災の影響により、残念ながら現時点において未実施である。ビームの供給が再開され次第、速やかに検証実験を行い、物性測定に投入する予定である。
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