2013 Fiscal Year Research-status Report
DNAの金属化による2次元および3次元ナノ構造の構築
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24710106
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
A.A Zinchenko 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00432352)
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Keywords | DNA / ナノ構造 / ナノ粒子 / 触媒 / ヒドロゲル / 金ナノ粒子 / ナノ材料 |
Research Abstract |
25年度に実施した研究においては、DNAの3次元鋳型としてDNAヒドロゲルを作成して、貴金属イオンの濃縮およびゲル中の金属イオンの還元することにより金属ナノ粒子含有のハイブリッドゲルを作成して、ゲル性質および触媒活性を検討していた。主な結果は下記の通りでる。 1. DNA高分子が遷移金属に高親和を利用して、DNAハイドロゲルを用いて水溶液から遷移金属イオンをゲルの中で濃縮する方法を開発した。本研究では、Au, Ag, Ni, Pd, Pt, Ybを高効率(DNA単量対の物質量に対して50%以上)でゲル中の遷移金属イオンの濃縮が可能であることを明らかにした。 2. Auイオンを吸収したDNAゲルの金属化を行って、Au3+を還元することでゲル中のAuナノ粒子を合成した。DNAゲルで成長した1-2 nm ナノ粒子は極めて微小であり、これまでの報告よりゲル中で合成したナノ粒子と比べて、最も小さなサイズのAuナノ粒子である。このサイズコントロールにおいては、DNAが小さなAuナノ粒子の成長を強く抑制すると思われる。 Auナノ粒子含有のDNAゲルは元のDNAゲルと同様に膨潤・収縮変化を可逆にできることも示した。Au3+を還元するときに溶液のpHを調整して、DNAゲルの中で成長するナノ粒子のサイズを 1 nm と 5 nmと間の範囲でコントロールできた。同じように Au, Ag, Ni, Pd, Pt のDNAによる吸収とゲルの金属化も調べて、それぞれの金属の特徴を解説した。 3. Auナノ粒子含有のDNAゲルを用いて、p-ニトロフェノール還元反応でDNAゲルが高触媒活性をもつことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書であった25年度分の計画課題(DNAゲルの調製および金属化によりゲル中ナノ粒子合成)をほぼ全て完成できた。さたに、26年度の課題⑥として計画した「DNAを鋳型とした金属ナノ材料の触媒として用途」の実験も25年度に行って、Auナノ粒子を含んだDNAゲルの触媒活性とその特徴を既に明らかにしている。以上により、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の計画した課題の大部分は既に完成できため、未完成な実験を遂行すると共に、 Auナノ粒子含有のDNAゲルによる触媒反応についてより詳しく調べる。具体的に、次の主な追加実験を行う。 1. DNAゲル中のAuナノ粒子のサイズ変化により触媒反応の速度への影響を調べる 2. Auナノ粒子含有のDNAゲルを膨潤・収縮させることで触媒反応の速度への影響を明らかにする 3. Auナノ粒子含有のDNAゲルを用いた有機溶媒での触媒反応の可能性を明らかにする
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Research Products
(6 results)