2013 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの自己組織能を高分子材料のナノ構造の精密な制御・機能化に活かす
Project/Area Number |
24710125
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
田代 竜 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (00402785)
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Keywords | ナノテクノロジー / DNA / 核酸化学 / 分子デバイス |
Research Abstract |
機能性を有し、DNAの空間配置に適したπ共役系化合物からなるリンカー部位の分子設計および合成を行いDNAと連結させることに成功した。具体的には次のように実行した。化学的に硬く、自由に動きにくく固定しやすい化合物をリンカーとして利用することで、2つのDNA鎖を正確に配置することを、まず初めの目標として研究を遂行した。当初の目的であったDNAのウラシル塩基の5位に、アセチレンを介してポリフェニレンエチニレン化合物などのπ共役系化合物を連結させることに成功した。この修飾DNAの合成法として、DNAの固相合成と固相上でのグラーゼルカップリング反応を組み合わせることが重要であることが分かった。短いポリフェニレンエチニレン化合物でDNAを連結させることは成功した後、π共役系化合物から構成させるリンカーの長さを伸ばすことで、2つのDNA間の空間をコントロールすると考え、この点はナノ構造体の作成には重要であると考えた。実際に、剛直で機能性を示すと期待されるリンカー部位の長さを変えることを試みた。具体的には、固相上でグラーゼルカップリング反応を行う際に、長さの異なるリンカーが結合したウラシルの誘導体を利用することで、リンカーの長さを調整することが可能であることが分かった。合成した、剛直なリンカーを持つDNAが実際に予想したような自己相補的なDNAとの2本鎖形成能を調べた。PAGE解析により、合成したリンカーを持つDNAが2本鎖形成がおこることを確認した。π共役系化合物は材料化学などで合成が多数報告されているが、DNAナノテクノロジーの分野への応用はほとんど行われておらず、今回得られたDNA誘導体はナノテクノロジー分野における応用性、発展性が高く、今後とも利用していきたいと考えている。
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[Journal Article]2014
Author(s)
Sannohe, Y.; Kizaki, S.; Kanesato, S.; Fujiwara, A.; Morinaga, H.; Tashiro, R.; Sugiyama, H.
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Journal Title
Chem. Eur. J
Volume: 20
Pages: 1223-1225
DOI
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