2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノロッドを活用した電気化学キャパシタの高エネルギー密度化
Project/Area Number |
24710128
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中西 英行 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (20619655)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電気化学キャパシタ / ナノ材料化学 / ナノワイヤー / 陽極酸化アルミナ |
Outline of Annual Research Achievements |
電気化学キャパシタ(ECs)は、電解質溶液と大きな表面積を有する電極との界面に電気二重層を形成して電荷を貯蔵する。蓄電池と比較すると、ECsはイオンの物理的な吸着と脱着を利用して充電と放電を行うので、半永久的な寿命を持ち、大きな電力を摂取・供給することができる。しかし、ECsから取り出せるエネルギーの総量は蓄電池よりも低い。ECsの電極内部には様々な抵抗が存在し、貯蔵した電気エネルギーの一部は抵抗によって熱エネルギーとして散逸してしまう。また、充放電速度が速くなると、電極-電解質界面への電荷の輸送が遅れ、電気二重層を形成することができなくなり、電力密度とエネルギー密度が減衰する問題がある。 本研究では、電荷の輸送にかかる内部抵抗を抑制するために、陽極酸化アルミナ(AAO)と電解析出法を活用して、平滑な金フィルムから垂直に成長した一枚岩の金ナノワイヤー電極を作製した。電極の構造を一次元化することによって、金属固有の高い電気伝導率を活かしつつ、最短の距離で界面に電荷を輸送する経路を構築した。その結果、ナノワイヤー電極は300V/sの速度においても容量性のCV曲線を示した。この速度は通常のスキャン速度よりも2桁程度大きく、電荷が速く界面に輸送されていることが分かった。また、AAOを自作し、分岐や断線(欠陥構造)の無いナノワイヤーを電極に用いたところ、内部抵抗はさらに低下することが、電気化学インピーダンス測定から明らかになった。このようにして内部抵抗を抑制したナノワイヤーを、可逆的な酸化還元反応を示すポリピロール(Ppy)で被覆した。電極をコアシェル型に設計することで、シェル部分(Ppy)の化学反応で大きなエネルギーを貯蔵し、コア部分のワイヤーで電荷をスムースに輸送する電極構造を構築した。その結果、速い速度で大きなエネルギーを出し入れできることがラゴンプロットより明らかになった。
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