2013 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化シグナル高感度検出が可能な質量分析型ペプチドチップの開発
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24710137
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
園田 達彦 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (30403992)
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Keywords | ペプチドアレイ / リン酸化シグナル / プロテインキナーゼ / 酸化チタン / セルフクリーニング / 質量分析 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
本研究では、光触媒や太陽電池として利用されている酸化チタンが有するセルフクリーニング機能、および質量分析における無機マトリクスとしての性質に着目し、これを基板として用いることで、基板そのものが非特異的吸着物除去能を有し、かつ高感度な質量分析による検出が可能なペプチドアレイを開発し、プロテインキナーゼ活性の網羅的解析技術確立に向けての有効性を示すことを目的とする。具体的には質量分析において利用されるレーザー光によって切断される化合物の合成と基質ペプチドへの導入、高感度な質量分析が可能な酸化チタン基板作製方法および基質ペプチド固定化方法の確立、そしてリン酸化の定量的な評価が可能か検討していく。 今年度の研究実施計画に基づき、まずは固定化基質ペプチドの高感度検出を可能にする有機マトリクスの検討を行った。前年度に作製したペプチド固定化酸化チタン基板に、有機マトリクスとして一般的に用いられているcyanohydroxycinnamic acidを利用したところ、なしの場合と比較して感度が向上した。従って、有機マトリクスは加えたほうがよいことが示された。続いて、ペプチド固定化酸化チタン基板上に市販のプロテインキナーゼAを作用させてon-chipリン酸化反応を行い、その後、質量分析によりリン酸化確認を行った。最後に細胞破砕液を用いて同様の方法でon-chipリン酸化反応と質量分析を行ったところ、夾雑物の影響により検出感度が低下してしまった。この点を改善していくことが今後の課題である。
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Research Products
(2 results)