2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24710141
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 啓志 東海大学, 工学部, 講師 (40533625)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / Organ on a chip / in vitro組織モデル / 細胞アッセイ |
Research Abstract |
本研究は医薬品開発における動物実験削減を目指し、マイクロ流体デバイス技術を活かしたバイオミメティクス的アプローチによって、生体外(in vitro)での肝細胞の機能維持とその観察が可能な新規の細胞アッセイプラットフォームの実現を目的としている。本申請課題では、肝臓組織の最小構成単位である肝細胞索の微小構造に着目し、この構造を再現することで肝細胞の生体内(in vivo)同様の毛細胆管形成や代謝活性を実現する肝代謝モデルデバイスの開発を目指す。さらに、このデバイスを用いて肝細胞の化学物質などの入力に対する出力を計測することで、in vitro肝代謝モデルとしての評価を行う。 今年度は、主に、昨年度に開発した肝代謝モデル系の評価として化学物質曝露試験による細胞アッセイ性能評価を中心に研究を推進した。本評価試験の実施に向け、生体内で実際に起こりうる体内薬物動態を再現するために、肝代謝モデル系と薬剤のターゲットとなるがん臓器モデル系を、生理的な単一の流体ネットワーク系に集積化したデバイスを開発した。薬剤モデル物質として、生体内では肝臓で代謝されることにより抗がん作用を示すプロドラッグであるテガフールを採用し、評価試験を行った。これらのデバイス評価試験の結果から、本研究で構築した肝代謝モデル系が生体内と同様の代謝機能を有し、本デバイスはin vitroにおいて有効な細胞アッセイプラットフォームとしての活用が可能であるという知見を得た。 また、本研究において、本デバイスの次世代細胞アッセイ系への応用を目論んで、肝代謝モデル系に用いる細胞として、株化された細胞やラット・マウス初代培養細胞だけでなく、iPS細胞のデバイス内肝細胞分化に関する検討にも着手することができた点は特筆すべき研究成果である。
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Research Products
(7 results)