2013 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ電界効果トランジスタを用いた一体型圧電・焦電センサー
Project/Area Number |
24710144
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田畑 博史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00462705)
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Keywords | カーボンナノチューブ / FET / PVDF / 強誘電体ポリマー / 圧電性 / 焦電性 / センサー / イオンゲル |
Research Abstract |
本年度は、圧電・焦電性ポリマーと単層カーボンナノチューブ(SWNT)薄膜のハイブリッド構造を持つデバイスが、圧力や光に応答し、センサーとして機能することを実証することを目的とした。以下に実施内容を示す。 (1)圧力応答の評価するために、デバイスに垂直方向から力を印加し、加わる圧力と電流の変化をリアルタイムで計測するための測定装置と計測プログラムを開発した。 (2)前年度に作製したP(VDF-TrFE)ゲート絶縁膜SWNT-FETを用いて、圧力・光に対するセンサー応答の測定を行った。しかし、明確なセンサー応答を得ることが出来なかった。これは膜の分極が不十分で、圧電・焦電効果が発現していないためと考えられる。より大きな分極を得るためには、高電圧による分極処理が必要であるが、P(VDF-TrFE)膜のリーク電流が予想以上に大きく、未だ成功していない。 (3)分極処理の困難を回避するため、分極済みのPVDFシート上に半導体SWNT薄膜を直接堆積したデバイスを作製した。SWNT薄膜の堆積法には、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)による表面処理を行った後、半導体SWNT(純度99%)を分散液から滴下して堆積させた。APTES処理に先駆けて、シート表面にAlを数nm程度蒸着し、自然酸化膜で覆うことで、均一なSWNT膜を得ることに成功した。 (4)上記の方法で作製したデバイスを用いて、圧力・光に対するセンサー応答の測定を行った。圧縮圧力、曲げ歪みを加えると、その圧力やシートの曲率に比例して、SWNT薄膜のコンダクタンスが変化することを確認した。これはPVDFシートの圧電効果によってシート表面に現れた表面電荷がSWNTに作用しキャリアを誘起したためと説明される。さらに、SWNT薄膜上にイオンゲルを塗布することにより、PVDF表面電荷とSWNTのキャリアの間のカップリングが向上し、センサー応答が数倍程度向上することを見出した。
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[Journal Article] Metal-Oxide-Layer-Coated Singloe Walled Carbon Nanotubes as a Sensor for Trace Amounts of Oxygen2014
Author(s)
H. Tabata, H. Fukuda, K. Matsushita, O. Kubo, T. Kikuchi, T. Sato, T. Kamimura, T. Ueda, R. Shimazaki, H. Tanjo, M. Horiuchi and M. Katayama
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Journal Title
Applied Physics Express
Volume: 7
Pages: 035101 1-4
DOI
Peer Reviewed
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