2014 Fiscal Year Annual Research Report
オンサイト遺伝子迅速検知用集積化マイクロチップの開発
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24710146
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渕脇 雄介 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (80468884)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PCR / センシング / オンチップ / 核酸増幅 / センサシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度までに開発したポンプの吐出だけで簡便かつ実用的なセンシング(混合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、秤量、測定)を行う機構をベースに、多項目の遺伝子を同時にPCR検出する手法の開発に取り組んだ。また、簡便にオンサイトでの多項目検出を実現するため、タブレット端末と小型の機能電子制御ボードで動作確認することを進めながら検討してきた結果、少なくとも4項目の試料を超高速・同時にPCR増幅できることが確認された。また、本年度が最終年度であったことから、論文化をとおして広く成果を公開することにつとめた。 研究期間全体をとおして得た成果としては、PCRから検知までをフィールドオンチップに完了するマイクロチップの構築のため、1.流路表面への非特異的な吸着抑制技術の確立、2.蒸気圧差と固液界面の粘性の力を駆使した全く新規な核酸増幅法、2.入口からの吐出と出口からの吸引の両方に対応可能、3.多量の試料液も核酸増幅可能、4.サイクル毎分の単位で同じ距離を維持する事で複数の試料プラグ液のPCRが可能なことを示した。一般的に、こうした技術を集積化させて遺伝子を迅速、自動検知するためのフィールドオンチップの研究開発は、複雑な外部制御や煩雑な表面処理などを組み合わせて行われている事例が殆どであり、装置が大型で高価なものが多い。これに対して本法は、ポンプの吐出だけでこれらの機構がすべて完了することから、センサシステムの小型化・ネットワーク化・情報通信化を可能にしていくうえで有用な知見を得た。
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