2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24710149
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大矢 剛嗣 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (30432066)
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Keywords | 単電子回路 / 生体機能模倣 / 雑音耐性・利用 / ゆらぎ耐性・利用 |
Research Abstract |
本研究の目的は「生体機能を模倣した単電子情報処理システムを構築すること」である。単電子デバイスは原理的に熱雑音や揺らぎに弱いことが知られている。一般的には作製プロセスの向上および極低温動作により問題の解決を目指すが,本研究では生体の持つノイズ・揺らぎ吸収機能および利用機能に着目するという従来とは別のアプローチから解決を図る他,未確立の単電子回路向けの情報処理アーキテクチャについて,生体の持つ情報処理機能に学ぶシステムの設計をし,単電子回路に適する手法であることを実証する。 本研究の目的である生体機能を模倣した単電子並列情報処理システムを実現するためには,大きく分けて3つのことについて検討をする必要がある。これは第一に,生体が持つ有益な機能の内「雑音・揺らぎを吸収・利用する機能」の単電子デバイスへの実装,第二に,生体機能の中の「機能的情報処理能力」を単電子デバイスによって実行すること,第三に,前述の「雑音・揺らぎ吸収/利用 単電子デバイス」と「生体様情報処理 単電子デバイス」との融合(最終目標)である。 平成25年度においては,平成24年度に遂行した上述の第一,第二の内容をさらに発展させた。結果として,当初予想していなかった「雑音・揺らぎを吸収・利用することにより信号を増幅する」単電子デバイスの可能性等を見いだせた。計画に従う内容では、前年度で実施した第一,第二の研究を融合させ始め(上記「第三」の内容),その有用性を国際会議等で示した。生体機能の中の「機能的情報処理能力」を単電子デバイスによって実行することについては細胞性粘菌の挙動の単電子回路化および蟻の挙動に学ぶ単電子回路等複数の内容についての研究を進めた結果,それぞれ英語論文誌に採択および国際会議・国内学会発表を実施することができた。さらには,他研究機関の研究者と議論を進め,新たな共同研究の計画立案につなげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である生体機能を模倣した単電子並列情報処理システムの構築を実現するために,次の3つのことを検討する。それは,(1)生体が持つ「雑音・揺らぎの吸収・利用能力」の単電子回路化,(2)生体の「機能的情報処理能力」の単電子回路化,(3)前述(1)および(2)の融合による最終目的の達成である。 これについて,上述の研究実績の概要に示す通り,本年度も平成24年度に引き続き,当初計画の通り(1)および(2)について研究を遂行した他,(3)についても研究遂行を開始した。(1)および(2)においては,関連研究においてそれぞれ国際会議発表や国内学会発表,論文発表を実施することが出来た。(3)についても順調に研究が進められていると考えている。したがって,概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,平成24年度~平成25年度において(1)生体が持つ「雑音・揺らぎの吸収・利用能力」の単電子回路化,(2)生体の「機能的情報処理能力」の単電子回路化に関連する基礎部分の研究を遂行することができた。 研究最終年度の実施計画として,(1)については回路規模を拡張し,その雑音・ばらつき利用性能を引き続き評価する。(2)については,現在進めている生体機能模倣システムの高度化および新たなシステムの導入についても引き続き研究を進める。これらを遂行しつつ平成26年度はメインの内容として最終目標である(3)前述(1)および(2)の融合も進める。
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