2012 Fiscal Year Research-status Report
科学生産における知識資本と社会関係資本の動的形成過程の実証分析とシミュレーション
Project/Area Number |
24710160
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 創太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30609285)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / 科学生産 / 科学政策 / 研究者流動性 / 研究者間協力 / 研究資金配分 / 社会関係資本 / 知識資本 |
Research Abstract |
大学を中心とする公共部門における「科学生産」はイノベーション・システムの根幹を形成している。本研究では、科学生産のアウトプットとして知識資本と社会関係資本の2点に着目し、インプットとしての研究資金および研究者人材の配分が及ぼす影響を検討することを目的とした。初年度にあたる平成24年度には以下の3項目を実施した。(1)社会関係資本形成のモデル構築: 数理モデル及びシミュレーションを用いて社会関係資本の生産モデルを構築し、近年の科学技術政策に関する制度・環境変化の影響予測に用いた。(2)科学生産過程の実証分析: 質問票調査データ及び研究者経歴情報を用いて以下の分析を実施した。(a)社会関係資本形成に関する(1)の予測結果を実証分析した。(b)研究者人材の配置政策: まず研究者人材の配置の制度的特徴を見出すために日本と欧州数ヶ国との間で研究者の移動特性を分析した(欧州の共同研究者との共同研究による)。続いて、特にセクターを横断する研究者移動に着目し、大学研究セクターからの退出に関わる環境因子を分析した。さらに世代間の研究者人材の移動に着目し、研究室レベルでの世代交代方式が及ぼす科学生産への影響を分析した。(c)研究室レベルでの知識資本生産: 大学研究室の内部組織構造に着目し、その知識生産への影響を分析した。(3)データ構築: 次フェーズに向けて以下のデータ構築作業を実施した。(a)国立情報学研究所の提供する科研費データベース及び科学技術振興機構の提供するReaDを基に独自の研究者データベースを構築した。(b)日本の大学研究者を対象としたフィールド調査を実施し、質問票調査の調査票を設計した。これらのデータは次フェーズにおける実証分析に供する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にあたる平成24年度には以下の作業項目を実施した。(1)社会関係資本形成に関する数理モデルとシミュレーションモデルの構築、(2)質問票調査に基づく実証分析、(3)研究費データベースの構築、(4)日本の大学研究者を対象としたフィールド調査、(5)質問票調査の調査票の設計。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度には、科学生産の数理モデルの拡張を試みる。また24年度に作成した質問票を用いて質問票調査を実施し、同じく24年度に作成した研究者データベースを合わせて用いて実証分析を進める。さらに実証分析の結果を補足するために追加的にフィールド調査を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の主たる支出項目は以下の通りである。(1)質問票調査に係る外注費・補助人件費、(2)フィールド調査に係る旅費、(3)国際学会発表に係る旅費、(4)データ整理・その他研究補助業務に係る謝金。
|
Research Products
(11 results)