2013 Fiscal Year Research-status Report
科学生産における知識資本と社会関係資本の動的形成過程の実証分析とシミュレーション
Project/Area Number |
24710160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 創太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30609285)
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Keywords | 国際情報交換 / 科学生産 / 科学政策 / 研究者流動性 / 研究者間協力 / 研究資金配分 / 社会関係資本 / 知識資本 |
Research Abstract |
大学を中心とする公共部門における「科学生産」はイノベーション・システムの根幹を形成している。本研究では、科学生産のアウトプットとして知識資本と社会関係資本の2点に着目し、インプットとしての研究資金および研究者人材の配分が及ぼす影響を検討することを目的とした。2年度目にあたる平成25年度には以下の作業項目を実施した。(1)質問票調査及びフィールド調査の実施: 平成24年度に準備した質問票を用いて、日本の国立大学53大学の教員を対象とした質問票調査を実施した。また30程度の大学・公的研究機関の研究室を対象としてフィールド調査を実施した。さらに政策担当者を対象として、現状の政策課題・今後の政策の方向性等に関するインタビュ調査を実施した。(2)科学生産過程の実証分析: 以上の調査から得られたデータを用いて以下の分析を実施した。(a)研究室レベルでの知識資本生産モデルの分析: 大学研究室の内部組織構造に着目し、その知識生産への影響を分析した。(b)包括的知識資本生産モデルの分析: 個人・組織・制度の複数階層を包含したモデルを構築し、科学者個人の属性に加えて制度・組織上の属性が知識資本生産に及ぼす影響を分析した。(3)国際比較分析: 日本独自の環境要因を相対化すると共に、将来的な政策設計の参考にする目的で、国際比較調査を実施した。具体的には世界30か国を対象とした文献書誌情報、及び、世界16ヶ国を対象とした国際比較調査データを取得し、主に科学者人材の配置政策に関する分析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2年度目にあたる平成25年度には以下の作業項目を実施した。(1)日本の国立大学50大学の教員を対象とした質問票調査、(2)主要大学において30程度の大学・公的研究機関研究室を対象としたフィールド調査、(3)政策担当者を対象としたインタビュ調査、(4)以上のデータを用いた実証分析、(5)国際比較調査・分析。当初計画した作業が予定以上に進捗したため、平成26年度の作業項目の一部((2),(3),(5))を前倒しで実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に計画以上の進捗が見られたことを踏まえ、3年目にあたる平成26年度には翌27年度分の作業計画を一部前倒しで実施する計画である。平成26年度の具体的な作業項目は以下の通り: (1)追加質問票調査の実施、(2)政策担当者を交えたモデルの再評価、(3)国際比較調査・分析の実施。
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Research Products
(8 results)