2012 Fiscal Year Research-status Report
閾値を持つ確率分布の非正則問題の解決と推定及び検定手法の確立
Project/Area Number |
24710170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長塚 豪己 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (30384738)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 統計学 / 品質管理 / 信頼性工学 / 国際情報交換・カナダ |
Research Abstract |
閾値を有する確率分布の非正則性問題の解決を考慮した理論構築と推定及び検定手法の確立を目的とし、平成24年度には以下の成果を得た。 1.極値理論において統一的モデルとして用いられる一般化極値分布、及びその関連分布である一般化パレート分布 を対象とし、全てのパラメータ範囲において一意に推定値が求められる点推定法の提案を行った。数値実験による、提案推定法の推定精度の検証も行った。 2.データが打切り含む場合(単一打切りデータ)のワイブル分布の点推定において、てのパラメータ範囲において一意に推定値が求められる点推定法の提案を行った。数値実験による、提案推定法の推定精度の検証も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般化パレート分布の点推定問題に関する研究については順調に進んでいると評価する。しかし、各分布における提案推定量の漸近分布に関する研究については遅れている。漸近分布の導出の難易度が高いことが一つの理由である。また、代表者の異動があり、この問題に取り組む時間を十分にとることができなかったことも理由に挙げることができる。漸近分布の導出を進める代わりに、ワイブル分布における、データが打切りを含む場合(単一)の非正則性問題の解決を考慮した推定法の研究を進め、進展を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の計画通りに進めていく。まず、一般化パレート分布の点推定における提案推定量が、全てのパラメータ範囲において確率1で一意に存在することの厳密な証明とその定理化に取り組む。更に一致性についても同様に厳密な照明に取り組む。また、データに打切りを含む場合の非正則性問題を回避する推定及び検定法についても研究を進める。また、区間推定及び検定法の構成とその理論構築を見据えた、各分布における提案推定量の漸近分布の導出にも取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に計算用サーバー、数値計算用ライブラリ、数式処理用ソフトウェア等の購入を予定していた。しかし、年度中に代表者の異動が決まり、異動に関わる各種準備、前任校における後処理、諸手続き等への対応のため、本研究に関わる時間を多くとることができずに、研究の進捗が遅れてしまった。このような状況の下で平成24年度に上記の設備を導入するよりも、平成25年度に導入時期を変更した方が、設備の移設等の諸手続きを省くことができるという意味で効率的であると判断し、平成25年度に購入することになった。
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