2014 Fiscal Year Annual Research Report
地域特性に適した生活交通確保のための交通施策に関する調査研究
Project/Area Number |
24710172
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
松田 善臣 島根県立大学, 総合政策学部, 准教授 (70453199)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中山間地域 / 生活交通 / 過疎・高齢化 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少やモータリゼーションの進展など、公共交通を取り巻く環境が厳しいものとなっていく中、特に人口減少・高齢化の著しい中山間地域において、地域住民の生活の足をいかに確保すればよいかを検討するため、中山間地域において行われている生活交通確保の取り組みについて調査を行った。 本研究で特に注目したのが、島根県大田市湯里地区で行われている「湯里地区あいのりタクシー事業」である。この事業では、交通空白地域に住む人口の割合が8割を超える同地区において、地区の社会福祉協議会が中心となって車を運転することができない高齢者の生活の足を確保している。具体的には、タクシー運賃の助成を行うものであるが、特筆すべきは行政からの補助金に頼ることなく、地域住民からの賛助協力費(寄付金)により運営されている点にある。多くの自治体では地域の生活の足を確保するために、補助金を投入して公共交通の維持・確保に努めているが、厳しい財政状況の中、それをいつまでも続けていくことは困難な状況となっている。このような状況にあっては、行政に頼ることなく、地域住民の力で地域の足を確保していくことが求められており、湯里地区での取り組みが、今後の中山間地域における生活交通確保のモデルケースになると考え、同事業の成り立ちから現在に至るまでの運営状況について詳細に調査を行った。その上で、今後事業を継続していくために必要とされる課題について整理した。
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Research Products
(3 results)