2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロバストパラメータ設計における統計数理的方法論の開発
Project/Area Number |
24710177
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
河村 敏彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 助教 (70435494)
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Keywords | 品質管理 / 統計工学 |
Research Abstract |
ロバストパラメータ設計の目的は誤差因子を意図的に設定し,設計パラメータ(制御因子)と誤差因子の有効な交互作用を見つけ,その制御因子の水準選択によって特性ないしは機能のばらつきを低減させることである.Fisher 流実験計画法では平均の変化に興味があり,パラメータ設計では乖離の減衰を第一義とする.本研究ではその目的を達するために通常のSN 比解析に加え統計的モデリングアプローチを大きく2 つに分けて議論した. (i) 平均&ばらつきモデリング (ii) 応答関数モデリング (i) は直積実験データに対し誤差因子を単なる繰り返しとみなし平均と分散を計算する.これをあらためて特性値とみなし,それぞれ制御因子の関数として同時要因解析を行う方法である.ここでばらつきの測度として他にSN 比などの要約統計量も考えられる.一般に2 段階設計法においてばらつきの測度として何を採用するかは,それと独立な調整因子の存在(PerMIA 条件) に依存する.(i) は簡便的で有効な方法であるが,同時に2 つの特性に縮約しているため個別の誤差因子の効果はわからない.(ii) は特性を内側直交表に割り付けた制御因子とその外側の誤差因子の関数で表現しモデリング を行う方法である.この方法は複数の誤差因子が存在するときその個々の効果が詳細に認識できることがメリットである.応答関数モデリングは誤差因子を考慮した特性の平均構造に着目する.すなわち誤差因子の水準に対応したダミー変数を用いて平均の水準間の差を乖離(効果)とみなし,それを減衰することを目的とする.モデリングアプローチでは制御因子の変数選択を行う.変数選択後は「モデル式にもとづく非線型計画問題」とみなし最適化を行う.これにより誤差因子の乖離を減衰し,目標値に近づけるという統計モデルを通じた2 段階設計が可能となった.
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Research Products
(3 results)