• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

災害・地球環境問題への総合対策としての地域エネルギー拠点計画手法の開発

Research Project

Project/Area Number 24710183
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

稲垣 景子  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 特別研究教員 (20303076)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords減災 / 防災 / エネルギー全般 / 建築環境・設備 / 都市計画・建築計画
Research Abstract

本研究は、災害対応と地球環境問題の解決に寄与する分散型の地域エネルギー拠点の計画手法を開発することを目的とし、地域の災害安全性や、需要密度、資源賦存量等に基づき整理し、その要件を満たす地域を抽出する手法の開発および評価指標づくりを目指すものである。
本年度は、供給系ライフライン(電気、水道、ガス)途絶時の建物機能の実態を把握するため、東日本大震災発生時の住宅での生活支障に関して調査・分析し、途絶期間毎の支障程度の特徴や、ライフライン途絶が避難行動に与える影響を定量的に確認した。また、ライフライン途絶による生活支障と避難行動との因果関係をSEMによりモデル化した。今後、モデルの精緻化と一般化を進められれば、施設利用者の許容レベルに応じた自立方策提示につながる可能性がある。
また、研究の基礎となる首都圏域の各種統計データ、建物現況等の地理空間情報を整理し、エネルギー・水消費原単位を用いて平常時の需要量の分布状況を把握するとともに、官公庁施設と厚生医療施設におけるCGS(コージェネレーションシステム)導入を事例に、導入可能性と効果を防災面と環境面から評価する手法を検討した。さらに、需要家が保有する電源設備整備の実態を把握するための調査設計を行った。
これらの調査結果は、各地域の「災害脆弱性」「平常時と非常時のエネルギー・水需要密度」「資源賦存量」等を概算するために用い、地域の防災性能と環境性能をエネルギー面から評価し、地域エネルギー拠点の計画要件を整理する際の基礎データとなる(地域エネルギー・データベースの作成)。
さらに、病院を視察し施設計画の実態を把握するなど、電源・蓄電設備やエネルギー管理システムなどの技術開発状況の調査、防災や建築等に関するルール規定に関する調査を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究の基礎となる各種統計データおよび地理空間情報、エネルギー・水需要量を地域毎に整理し、CGS導入可能性と効果を防災面と環境面から評価するなど、概ね順調に進展した。ただし、防災面での評価は、既存の非常用設備の整備実態等を参考に検討しており、非常時に必要なエネルギー・水量(非常時の消費原単位)に基づくものではない。今後、非常時の機能継続の観点から需要量を試算する手法を検討したい。
また、東日本大震災でのライフライン途絶時の建物機能維持に関して文献調査やアンケート調査を計画・実施した。本年度は主に「住宅」と「病院」を調査・分析対象としたが、今後、他の建物用途も含む「地域」を対象とし、施設管理者への詳細調査を実施する計画である。

Strategy for Future Research Activity

供給系ライフライン途絶による影響調査と需要家が保有する電源設備の実態調査を実施するとともに、地域エネルギー・データベースに関する作業を継続する。これらの成果を用い、エネルギー利用の面からみた地域の防災性能・環境性能を評価する指標の候補を設定し、地域エネルギー拠点の計画要件の整理につなげる。特に、非常時の機能継続の観点から需要量を試算する手法を検討する。
さらに、エネルギー・水の需要量や地域内でまかなえる量を把握し、地域自立性と環境貢献性の観点から地域類型化を実施する。その後、類型毎にスタディエリアを抽出し、各地域で拠点となりうる中核施設および周辺施設に対し調査を行うなかで、拠点構築の課題を整理し、自律手法や実施主体間の連携策等を検討する予定である。
これらを、最終年度の地域エネルギー拠点の適地抽出(導入可能性・効果評価)手法と地域エネルギー拠点構築の具体像の提示につなげる。また、東日本大震災を契機に様々な地域エネルギーシステムの計画・導入が進んでいるため、これらの導入実態を把握するなど技術開発・社会動向調査も継続して実施する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

地域エネルギー拠点の計画要件を整理するための基礎データを地理空間情報として整理し、空間分析するためのハードウェア・ソフトウェアを整備する。また、需要家が保有する電源設備整備実態把握の一環として、住宅や重要施設を対象とした調査を実施するための調査経費および調査・分析支援のための人件費として使用する予定である。なお、十分な標本数を確保するため今年度の調査実施を見送った経緯があり、今年度研究費の残額は、調査実施経費の一部に充てる予定である。
さらに、各地で推進されている地域エネルギーシステムの計画・導入実態や都市管理における空間情報技術の活用実態を把握するとともに、技術開発状況の調査、防災や建築等に関するルール規定に関する調査を行う。そのための調査旅費や、学会等での研究発表および情報収集のための経費として使用する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] 東京都における自立分散型電源の導入拠点の構築に関する研究-官公庁施設と厚生医療施設を対象としたCGSの導入 -2013

    • Author(s)
      崔錦丹,佐土原聡,吉田聡,稲垣景子
    • Journal Title

      地域安全学会論文集

      Volume: No.19 Pages: No.5 (11pp.)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 家庭用発電設備の導入に係る住民意識調査2013

    • Author(s)
      稲垣景子、佐土原聡
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      Volume: D-1 Pages: (2pp.)

  • [Journal Article] 停電時の生活行動に関する住民意識調査 -東日本大震災を対象として-2012

    • Author(s)
      稲垣景子,佐土原聡
    • Journal Title

      電気学会電子・情報・システム部門大会(電気学会C部門大会)講演論文集

      Volume: 平成24年 Pages: 725-728

  • [Journal Article] ライフライン途絶が生活行動に与える影響調査-東日本大震災を対象として-2012

    • Author(s)
      稲垣景子、佐土原聡
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      Volume: D-1 Pages: 917-918

  • [Journal Article] A study on self-sufficient buildings against disaster: Survey of hospital facilities in Japan2012

    • Author(s)
      Keiko INAGAKI and Satoru SADOHARA
    • Journal Title

      Proceedings of 15th World Conference on Earthquake Engineering (15WCEE)

      Volume: 15th Pages: No.5629 (9pp.)

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi