2013 Fiscal Year Research-status Report
社会基盤施設の長期・広域的機能損傷に対する協調的被害影響軽減戦略
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24710185
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
梶谷 義雄 一般財団法人電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (80371441)
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Keywords | 重要社会基盤 / 地域経済モデル / エージェントベースモデル / 産業連関分析 / 災害ロジスティクス |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,東日本大震災によって被害を受けた社会基盤施設に関する復旧情報を継続的に収集した.特に,これまでの調査であまり復旧情報が得られなかった地域に対して,現地訪問を含めた追加調査を実施し,データベースの大幅な拡充を行った.そのうえで,各社会基盤の復旧速度を評価するため,計画時点において利用を想定しているエージェントベースモデルに加えて,より適用が容易と考えられる故障解析分野で使われる統計モデルついても検討を行い,段階的に各モデルを適用していくための準備を進めた.一方,災害時における財・サービスの供給量を評価するために,社会基盤施設が被害を受けた状況下における社会・経済的影響評価モデルの構築を進めた.まず,財・サービスの供給能力自体がどの程度低下するかを予測するモデルについて改良を実施した.これは,従来想定してきた社会基盤の機能が完全に途絶する状況に加えて,機能低下割合が一部に限定される状況を対象に供給能力を評価する方法を提案したものである.今年度の検討では,電力供給を対象に,東日本大震災後の電力不足状態における企業の生産活動に対する実証的研究を通じてパラメーター等の設定を行った.さらに,これまで検討を実施してきた交通モデルと産業連関モデルを統合した物流モデルの深化を図るため,災害時における救急ロジスティクス等の緊急時における交通量の増加が交通渋滞と経済活動に与える影響について分析を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,社会基盤被害による企業の生産能力への影響評価方法や災害時における避難所運営の在り方についての考察を深めて学術論文として公表するなど,想定以上の成果が得られた.社会基盤の復旧評価モデルについては,大規模なデータベースの構築を着実に進めており,また復旧に関する統計モデルを導入するなど,段階的に評価モデルの適用を実施することで成果の導出タイミングを早める工夫を行った.これにより,研究全体の大幅な遅れは生じず,進捗は順調と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
設備管理者と利用者の協調型被害軽減戦略を検討する.社会基盤の復旧とその影響評価シミュレーションをベースに,ライフラインの早期復旧や各地域の拠点における備蓄や在庫を考慮した場合の被害軽減効果について検討を行う.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Collaborative Modeling Based Shelter Planning Analysis:Case Study of Nagata Elementary School Community, Kobe, Japan2014
Author(s)
Xu, W., Li, Y., Okada, N., Takeuchi, Y., Kajitani, Y. and Shi, P.
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Journal Title
Disasters
Volume: 38
Pages: 125-147
DOI
Peer Reviewed
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