2013 Fiscal Year Research-status Report
大阪湾における津波来襲時の避難船舶の危険度評価に関する研究
Project/Area Number |
24710193
|
Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
村山 雅子 富山高等専門学校, 国際ビジネス学科, 助教 (60369965)
|
Keywords | 錨泊 / 津波 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、津波警報発令時に航行中の船舶および港内の船舶が避難することを想定し、避難船舶の危険度について動的シミュレーションを用いて検討することを目的としている。検討対象海域は、交通量が多く輻輳度の高い大阪湾とした。 平成25年度は、まず前年度に収集したAIS(船舶自動識別装置)受信データを整理するためにデータベースを整備し、大阪湾の海上交通量を把握した。 次に、平成24年度に想定した船舶の避難海域の安全性について検討した。緊急時に船舶が避難し安全に津波をやり過ごすことができると想定した避難海域(以下避難想定海域)に錨泊した船舶の挙動について、動的シミュレーションを用いて計算した。シミュレーション結果から、一部の海域を除き、津波下で避難想定海域に船舶が錨泊し津波をやりすごすことができることを示した。津波流は、平成24年度に整備した大阪湾の津波計算結果データを用いた。一部の船舶の振れ回りが大きい避難想定海域、走錨の危険がある避難想定海域については海域の再検討を行った。 また、船舶の避難経路の安全性について検討した。津波下で避難経路を通り船舶が安全に避難できるかについてシミュレーションを行い検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究内容として計画していた「避難海域の安全性の検討」および「避難経路の安全性の検討」を実施した。 また、研究の遂行上、より成果が得られると考え今年度に計画していた研究内容の一部を前年度に先に実施したことから、前年度の研究内容として計画した一部で未実施であった「データベースの構築」を行った。 これらのことから、研究全体を通してみるとおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度においては、まず平成25年度に構築したデータベースを用いて大阪湾の海上交通量および船種・船型など船舶の詳細な情報を把握し、シミュレーションの初期条件として設定する。 次に、津波来襲時に港内の船舶が港外避難することを想定し、複数船舶の港外避難について動的シミュレーションプログラムを用いて計算を行う。 また、航行船舶の避難シミュレーションを行い、複数の船舶が一斉に避難する時の海上交通流について検討する。 これらのシミュレーション結果を分析し、津波来襲時の避難船舶の危険度について船舶同士の衝突の危険性、交通流の輻輳の状況などから避難船舶の危険度を評価する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果報告を国外で実施される国際会議にて発表予定であったが国内で開催された学会において発表を行った。また、研究打ち合わせおよび情報収集にあたり、資料の郵送やメール・電話などの代替手段を用いたため旅費の未使用が発生した。 平成26年度にこれまでの研究成果を国内外において開催される学会・国際会議にて発表するために旅費を使用する。 研究成果を公表するための複写印刷費や学会への参加登録費、英文論文の完成度を高めるための校閲費を研究のPRに関し使用する。 また、船舶データや地形データなど多量のデータを分析するため、計画期間内に研究を実施するために研究補助の有無は重要となるため、データ整理に謝金を使用する。
|
Research Products
(4 results)