2013 Fiscal Year Annual Research Report
漂流物を考慮した実用的な津波シミュレーションシステムの開発
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24710202
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
ボンコッゲサクル ナタコーン 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10436553)
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Keywords | 津波 / 漂流物 / シミュレーション / GPU |
Research Abstract |
本研究は漂流物を考慮した津波シミュレーションシステムの構築を目的とした。津波が遡上し街が呑み込まれる範囲を想定し、大規模な街モデルと漂流物の移動を対象としている。開発した解析システムはナビエ-ストークス方程式をSPH法(Smooth Particles Hydrodynamics, 粒子法の一種)の手法で解くという構成になっている。最新の超並列計算技術(GPGPU)を導入したことによって、本来のCPU計算より10倍ほどの計算時間を短縮ことが確認できた。 従来の津波シミュレーションに用いる計算手法(差分方や有限要素方)と比べて、流体(津波)と固体(漂流物)を表現する計算要素(粒子)の数は膨大のため、スーパーコンピュータークラスの計算機を用いた場合でも街規模のスケールを細部まで再現するシミュレーションは困難なことが分かった。但し、以下の活用方法は検討かのな範囲と思われる。 - 街規模の計算は粗い解像度の粒子を用いて全体の津波の流れと大きい漂流物(家屋や船舶)を把握する。 - 細部のエリアの検討が必要な場合、エリア全体の粗いシミュレーション結果を初期条件として対象をした小規模エリアを細かい解像度の粒子で計算を行う。この場合の漂流物対象物は車より小さいものを検討することが可能になる。 本シミュレーションは高知県が半地下津波非難シェルターの地上構造物の形状を検討することにも活用でき、建物の形状は流れの速度に影響を及ぼすことが確認できた。丸みのある形状の建物の方は流れを回避する力が高いが、四角い形状より周辺の流れが速く、漂流物に衝突された場合に大きな衝撃力が発生することが分かった。
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