2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24710203
|
Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
嶋野 岳人 富士常葉大学, 環境学研究科, 准教授 (70396894)
|
Keywords | 火山噴火推移 / 噴出物 / マグマ / モニタリング |
Research Abstract |
前年度に引き続き桜島火山での観測を継続した.火山灰採取装置の改良を行いつつ,5年以上継続している火山灰試料の連続日毎採取を継続した.これまでの回収試料については調整作業を進めた.これまでの結果をまとめ,火山灰連続採取手法の確立についての論文を発表した(Shimano et al., 2013).また,特に本年度は,昨年度,火口状況などと関係が認められた火山灰試料の分光測色計による測定を過去の火山灰試料にまでさかのぼって進めた結果,活発化に伴ってこれらの値が変化するだけでなく,火山灰粒子の粒径によってその値が全く異なることが分かった. 一方,より時間分解能の高い(数分~数時間間隔)試料サンプリングを行った試料についても降灰量,ガラス組成分析,測色測定を進めたところ,爆発の発生からその収束までの間に,系統的な変化が認められた. 諏訪之瀬島火山では,火口観察のための山頂カメラの取付を行ったが,2013年末まで極めて低調であったため試料の採取が出来なかった.2013年末から2014年始にかけて活発化したが対応出来なかった.一方,島内に残る1813年噴出物直下の火山灰堆積物の採取を行って桜島火山と同様の分析を行ったところ,石基ガラス組成,測色値共に桜島の現在の活動と同様の変化が認められた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
諏訪之瀬島火山の活動低下のため,噴火時の火口現象の把握は出来ておらず,その観測体制を整備することに留まったため,やや遅れていると判断した. 一方,桜島における観測体制については,局地的豪雨などで装置が故障する事態にも見舞われたが,順調に確立,継続観測を行っている. 採取試料解析については,比較的順調に進めているため,当初の目標には向かっているものと判断できる.しかし,試料数が大量であること,分析値の火山灰粒径への依存性が明らかになったことなどから,分析手順を工夫するしていく必要がある.そのため,今後の分析の進捗状況を注視する必要があるという意味を含めて,「やや遅れている」と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに整備した諏訪之瀬島火山の火口観測体制をより着実に運用できるよう確立する. 桜島については,確立した観測システムの継続・改良を進めると共に,採取試料の調整・分析・考察を進める.特に,粒径による分析値多様性に着目して,噴火活動の変化と火山灰試料の分析結果との関係を明らかにする.その上で,地球物理学的観測データとの比較を進め,桜島火山における長期的なマグマ供給過程変化の実態(特に深部からのマグマ注入や結晶化)を解明すると共に,短時間サンプリング試料を基にマグマの上昇過程について実態解明を目指す.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
噴火活動が低調であった諏訪之瀬島における観測のために使用予定であった電源(バッテリー)購入をしなかったため. 観測用の電源購入に使用予定である.
|
Research Products
(4 results)