2013 Fiscal Year Research-status Report
堤防自主決壊による洪水氾濫水の早期排水支援システムの構築
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24710207
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 裕和 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (90609364)
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Keywords | 自主決壊 / 水害 / 減災 |
Research Abstract |
平成25年度においては、前年度に続いて自主決壊に関する現地調査と地形測量などを主に実施し、これまでに取得したデータなどの整理を行った。自主決壊の直接的な事例調査は、昭和51年の吉田川・鶴田川水害で実行されたものについて行い、自主決壊にいたる経緯や実態、現状などを把握できた。また、平成23年9月で発生した、新宮川左支川の相野谷川水害の追調査を実施した。本水害は輪中内が冠水した高野地区で堤防が堤内から破堤し、輪中内の氾濫水が河道還元され、自主決壊による氾濫水還元と同等の効果を得たものであり、現状の確認とRTK-GPS測量システムを用いた地形測量地形測量などを行い、数値シミュレーションに必要なインプットデータを補強した。この追調査により前年度までに得られなかった河川流況や気象関係のデータ、浸水範囲に関する新たな情報なども追加できた。この後、9月に発生した矢代川の水害調査、前年度に各所で発生した東北地方の水害調査を行った。特に、矢代川では平成7年水害で自主決壊された実績があり、前年度この調査を実施したところであるが、今回水害では氾濫水の河道還元という点で自主決壊と同等の効果を持つ霞堤が浸水被害を軽減させており、現地でのヒアリングなどからこの効果の評価も行うべきであると考えるものとなった。前年度は得られた情報をもとに数値シミュレーションモデルを構築し、今後の減災計画への応用をはかる予定であったが、後者の水害の興味深い事例などもあり、この点が予定よりも遅れている。本年度は成果のとりまとめに注力したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自主決壊と関連性の強い水害が新たな水害が発生し、当該年度の当初予定になかったそれらの対応に時間を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はこれまでの成果のとりまとめに注力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度計画になかった本研究課題と関連の強い新たな水害が生じ、それに対応したため。 成果のとりまとめに注力する。
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