2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24710215
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉本 昌弘 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任准教授 (30458963)
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Keywords | メタボローム / データベース / キャピラリー電気泳動・質量分析装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、他のオミックス分野よりも標準化が進んでいないメタボローム(代謝物)の測定データを対象として、様々な付帯情報を統合したデータベースを開発することである。対象データとして、未知物質の同定を目的として質量分析装置のスペクトル情報を格納するものは多くあるが、生体試料を測定した定量データの再利用や、異なる試料や実験条件での測定データの横断的な比較を目的としたものは開発されていない。メタボロームでは、個別の代謝物濃度だけではなく、生体内の代謝プロファイル(1サンプルから観測できる代謝物の定量値の組み合わせ)を丸ごと格納して利用できなければならない。そこで、本研究ではこれら前者と後者を結合したデータベースを開発することを目標とした。最初にマウスの様々な臓器のデータから、キャピラリー電気泳動・質量分析装置で一次代謝を網羅的に測定した定量値と、装置から得られるピークの波形(ElectropherogramとMass Spectrum)を格納したデータベースを開発した。また、データを代謝マップ上で解釈できるよう、昨年度はPathway可視化ツールを開発したが、これをさらに拡張し、図を編集する汎用ソフトで描いた図を取り込んで、自動的に代謝物の位置を抽出し、別途測定した定量データを可視化する機能を実装した。また、多数のデータを比較・解析する場合は、単にサンプルの代謝濃度が含まれているだけではなく、サンプルに付随する情報も効率的に活用した解析が必要となる。そこで、特に臨床サンプルに付随する臨床データで頻繁に起きる欠損値があったとしても、疾患状態を予測するアルゴリズムも開発した。今後は、これらの機能も順次Webで使えるよう加工し、公開してゆく予定である。
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Research Products
(6 results)