2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24710218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 薫 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20548507)
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Keywords | RNAサイレンシング / piRNA / トランスポゾン / 生殖細胞 / Krimp / ショウジョウバエ / RNA干渉 / 細胞内顆粒 |
Research Abstract |
piRNA (PIWI-interacting RNA)は、生殖細胞特異的に産生される小分子RNA であり、その多くは、ゲノム上の転移因子に由来し、PIWI サブファミリータンパク質と特異的に結合する事によって、生殖細胞系において転移因子の遺伝子発現を抑制し、それらのゲノムへの侵略を防ぎ、ゲノムの品質管理を行っている。piRNA はmicroRNA や内在性siRNA といった小分子RNA の生合成とは独立した経路によって産生されていることが報告されているものの、未だ充分な知見は得られていない。本研究では、amplification loop によるpiRNA 生合成がどのような分子機構によって制御されているのかを明らかにするため、Krimp-AGO3 複合体に着目し、①について、Krimpはメチル化修飾していないAGO3に主に相互作用すること、さらに、piRNAをもつ前のAGO3と相互作用することを明らかにし、②について、卵巣性体細胞OSCにおいて、AGO3 を強制発現させるとKrimp 顆粒に局在する。これは、AGO3のN末(約80アミノ酸)を介して起こる現象であることを明らかにした。また、AGO3のN末はメチル化修飾されることが知られているが、Krimp顆粒への局在にはメチル化は関与しないことを明らかにした。さらに②に関するその後の解析で、別の生殖細胞特異的なPIWIタンパク質であるAubにAGO3のN末を付加するだけで、AubをKrimp顆粒へ局在誘導できることがわかった。このことは、AGO3のN末わずか80アミノ酸程度でamplification loopが制御されていることを示唆する。これが実際に生殖細胞内で起こっているか検証するため、AubとAGO3のN末を入れ換えたキメラタンパク質を作成し、それぞれのキメラタンパク質と相互作用しているpiRNAプロファイルを調べている。③について、抗AGO3及び抗Krimpモノクローナル抗体を用いた免疫沈降実験を行った結果、Gamma-tubulinリング複合体が同定された。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Essential roles of a Tudor domain-containing protein, Krimper, in piRNA biogenesis in Drosophila ovaries2014
Author(s)
Kaoru Sato, Yuka W Iwasaki, Aoi Shibuya, Piero Carninci, Hirotsugu Ishizu, Mikiko C Siomi, Haruhiko Siomi
Organizer
2014 Keystone Symposia Conference - A9: RNA Silencing
Place of Presentation
Sheraton Seattle Hotel, Seattle, Washington USA
Year and Date
20140131-20140205
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[Presentation] ショウジョウバエ卵巣におけるpiRNA生合成機構2013
Author(s)
Kaoru Sato, Yuka W Iwasaki, Aoi Shibuya, Piero Carninci, Hirotsugu Ishizu, Mikiko C Siomi, Haruhiko Siomi
Organizer
日本遺伝学会第85回大会
Place of Presentation
慶應義塾大学日吉キャンパス・神奈川県横浜市
Year and Date
20130919-20130921
Invited
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