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2012 Fiscal Year Research-status Report

網膜幹細胞から膵臓細胞への分化転換に機能する新規分子機構のゲノムワイド解析

Research Project

Project/Area Number 24710221
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

穂積 俊矢  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10597222)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords分化転換 / Notch / 中内胚葉 / 神経細胞 / 網膜 / 遺伝子発現制御
Research Abstract

Ddx46変異体の網膜において、in situ ハイブリダイゼーションやRT-PCRを行った結果、dealtaAやher6など、Notch情報伝達系の構成因子をコードする遺伝子や標的遺伝子の発現低下やmRNAスプライシングの異常が検出された。そこで、Notch情報伝達系の阻害剤であるγ-secretase xxで処理した胚や、Notch情報伝達が抑制された変異体であるmind bomb (mib)変異体を用いて、preproinsulin (ins)の発現を検出したところ、Ddx46変異体の網膜と同様に、網膜においてinsの異所的な発現が認められた。また、γ-secretase xx処理胚において、Notchの細胞内ドメインを過剰発現した結果、異所的なinsの発現は観察されなかった。この結果から、Ddx46変異体の網膜における異所的なinsの発現は、Notch情報伝達の低下が原因の1つである事が示唆された。
また、γ-secretase xx処理胚の網膜において、様々な遺伝子発現を調べたところ、中内胚葉の分化の際に発現するnodal lerated 1・2 (ndr1・2)や、初期内胚葉マーカー遺伝子 (sox32・sox17)、初期中胚葉マーカー遺伝子(ntla)の異所的な発現が確認された。一方、神経分化マーカーであるelavl4の発現は維持されており、網膜において中内胚葉マーカー遺伝子を発現している細胞群は、神経細胞の性質も維持している事が示唆された。
γ-secretase xx処理胚やmib胚の網膜において、組織切片を作製し、ndr1やinsが発現している細胞の種類を調べたところ、これらの遺伝子を発現している細胞群がガングリオン細胞層に見られる事が明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度の研究計画では、網膜幹細胞でEGFPのトランスジェニックフィッシュの作製を計画していたが、γ-secretase xx処理胚における異所的なins遺伝子の発現が、ガングリオン細胞層の一部で見られたため中止となった。また、次世代シーケンサーを用いた網羅的解析もトランスジェニックフィッシュが作製できなかったため、平成24年度は行っていない。しかし、Ddx46変異体の網膜における異所的なins遺伝子発現の原因の1つとして、Notch情報伝達系の低下を特定したことで、今後Notch情報伝達系に関与する因子群に注目して研究を進める事が可能になった。また、γ-secretase xx処理胚やmid胚の網膜のガングリオン細胞層において、ins遺伝子の他に、中内胚葉マーカー遺伝子や初期内胚葉マーカー遺伝子などが異所的に発現していることが明らかとなり、研究すべき遺伝子群や細胞種が以前より明確になった。現在、マウス神経幹細胞を用いてNotch情報伝達系の阻害実験も開始している。

Strategy for Future Research Activity

実験(1) 修飾されたヒストンの検出
ヒストン修飾の検出のためにISH-PLA法を行う。この方法は1細胞レベルで特定の遺伝子におけるヒストン修飾の検出が可能である。ISH-PLA法により、insやndr1・2、初期内胚葉マーカー遺伝子のゲノム領域について、野生型とγ-secterase xx処理胚の間で修飾されたヒストンの差異を調べる。
実験(2) Notch情報伝達系とDNAやヒストンの修飾に関わる因子との相互作用の解析
Notch情報伝達系は、ヒストンH3のK9へのメチル化に機能するSETDB1のリクルートに関与するとの報告がある。実験(1)において、ヒストンH3のK9のメチル化に変化があった場合、SETDB1遺伝子の発現量の変化を調べる。また、SETDB1のノックダウン・ノックアウト実験を行い、γ-secterase xx処理胚と同様な表現型が観察されるか確かめる。
ヒストンH3のK4やK27の修飾に野生型とγ-secterase xx処理胚の間で差があった場合、ヒストンH3のK4とK27のメチル化に関わる因子の発現量変化と、ノックダウン・ノックアウト実験を行う。これらの実験で検出されたゼブラフィッシュ網膜でみられる遺伝子発現の変化やヒストンのメチル化が、マウス神経幹細胞においても検出できるか確かめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ISH-PLAなど組織学的実験に用いる抗体・試薬・消耗品 ¥500,000
real time RT-PCRなど分子生物学実験に用いる試薬・消耗品 ¥350,00
マウス神経幹細胞の培養に用いる試薬・消耗品 ¥100,000
ノックダウン・ノックアウト実験に用いる試薬・消耗品 ¥470,000
その他チューブ・チップ等 消耗品 ¥50,000

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] DEAD-box protein Ddx46 is required for the development of the digestive organs and brain in Zebrafish2012

    • Author(s)
      Hozumi S, Hirabayashi R, Yoshizawa A, Ogata M, Ishitani T, Tsutsumi M, Kuroiwa A, Itoh M, Kikuchi Y.
    • Journal Title

      PLoS ONE

      Volume: 7 (3) Pages: e33675

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0033675

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] DEAD-box protein Ddx46 is required for the development of the digestive organs and brain in zebrafish.

    • Author(s)
      Shunya Hozumi, Ryo Hirabayashi, Akio Yoshizawa, Mitsuko Ogata, Tohru Ishitani, Makiko Tsutsumi, Atsushi Kuroiwa, Motoyuki Itoh, Yutaka Kikuchi.
    • Organizer
      10th International Conference Zebrafish Development and Genetics
    • Place of Presentation
      アメリカ・ウィスコンシン

URL: 

Published: 2014-07-24  

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