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2013 Fiscal Year Research-status Report

糖鎖合成効率の向上を目指した生理活性糖鎖ミミックの創製

Research Project

Project/Area Number 24710248
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

下山 敦史  東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (90625055)

Keywords糖鎖ミミック / レクチン / ランタニドナノ粒子 / シアル酸
Research Abstract

糖鎖は、生体内における複雑な生命現象において多彩な役割を担うものの、多様で複雑な構造を有するため、その化学合成は容易ではなく、また、その構造の不均一さから天然からの単離精製も困難であるため、その機能解明は十分には進んでいない。本研究では、糖鎖機能解明研究の飛躍を目指し、天然由来糖鎖に準じた機能を有する糖鎖ミミックの創製を目的としている。
これまでに、アミノエチルリンカーを介しクラスター化したマンノースユニット多量体とマンノース認識レクチンであるコンカナバリンAとの相互作用を沈殿形成および担体とした発光性ナノ粒子の発光強度変化により評価し、レクチンとの特異的な相互作用を検出することに成功している。平成25年度には、ガラクトース、シアル酸についても、アミノリンカーを導入した単糖ユニットを合成し、これを有機低分子やナノ粒子を担体としてクラスター化した。現在、これらの糖ユニットクラスターを用い、レクチンや細胞との相互作用解析を進めている。
続いて、シアル酸含有糖鎖ミミックの合成研究を行った。当初は、シアル酸誘導体のアノマー位にリンカーを介して導入したメチルチオメチル基をチオグリコシドに見立てグルコサミン誘導体とカップリングすることで、目的とする糖鎖ミミック構造を得る計画であったが、カップリング反応がうまく進行しなかった。そこで、メチルチオメチル基をグルコサミン誘導体の4位に導入し、これとプロパンジオールをアノマー位に導入したシアル酸誘導体とでカップリング反応を行うことで、目的のミミック構造の構築に成功している。最終脱保護の後、合成したシアル酸含有糖鎖ミミックとシアル酸認識レクチンとの相互作用解析を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Oxy-Michael反応によるアノマー位への官能基導入反応の開発を行い、マンノース、ガラクトース、シアル酸のアノマー位へアミノリンカーを導入した単糖ユニットを合成し、これを有機低分子やナノ粒子を担体としてクラスター化した。マンノースについては、得られた糖ユニット多量体とマンノース認識レクチンであるコンカナバリンAとの相互作用を評価し、レクチンとの特異的な相互作用を検出することに成功している。
シアル酸含有糖鎖ミミックについては、カップリング反応が良好には進行せず、合成ルートの変更が必要であったため、当初の計画より遅れてしまったが、メチルチオメチル基を4位に導入したグルコサミン誘導体とプロパンジオールをアノマー位に導入したシアル酸誘導体とのカップリング反応により、目的のミミック構造の構築に成功している。

Strategy for Future Research Activity

シアル酸含有糖鎖ミミックの合成を完了させた後、Neu5Ac2-3Gal認識レクチンであるMaackia amurensis AgglutininやNeu5Ac2-6Gal認識レクチンであるSambucus sieboldiana Agglutininを用いて、ELLA法や蛍光偏光法などにより、レクチンとの結合能および特異性を評価し、有用な糖質リガンドの探索を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度までに、シアル酸含有多糖ミミックの合成と評価を行い、学会発表する予定であったが、合成中間体が予想よりも不安定であったため、カップリング反応が良好に進行せず合成経路の変更が必要となった。そのため、シアル酸含有多糖ミミック体については評価まで至ることができず、そのアッセイに用いる予定の試薬類やその成果を発表するための学会参加費に未使用額が生じた。
問題となったカップリング反応については、メチルチオメチル基を4位に導入したグルコサミン誘導体とプロパンジオールをアノマー位に導入したシアル酸誘導体を用いることで解決済みであり、最終脱保護の後、合成したシアル酸含有糖鎖ミミックとシアル酸認識レクチンとの相互作用解析を行う予定である。繰り越しさせていただいた予算は、糖鎖ミミック分子の合成を達成する上で必要不可欠である反応試薬類や合成したミミック化合物を評価する上で必要となるレクチン等の消耗品の購入や成果を発表するための学会参加費用へとあてさせていただく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Access to a Novel Near-Infrared Photodynamic Therapy by the Combined Use of 5-Aminolevulinic Acid and Lanthanide Nanoparticles2013

    • Author(s)
      Atsushi Shimoyama
    • Journal Title

      Photodiagnosis and Photodynamic Therapy

      Volume: 10 Pages: 607-614

    • DOI

      10.1016/j.pdpdt.2013.07.005

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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