2013 Fiscal Year Annual Research Report
インドールアルカロイドnotoamide類の鏡像異性体が生合成される経路の解明
Project/Area Number |
24710252
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 光 熊本大学, 生命科学研究部(薬学系), 助教 (20547129)
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Keywords | 生合成 / インドールアルカロイド / Aspergillus / 取込実験 |
Research Abstract |
現在、我々は、インドールアルカロイドである notoamides を産生する 3 種の Aspergillus 属真菌(菌 A、菌 B、菌 C)を保有している。そして、それらの菌から得られる notoamides には様々な立体異性体が存在しており、それらの立体異性体は、3 種の菌よって生合成される割合が大きく異なっている。Notoamide B を例に挙げれば、菌 A は - 体のみを産生するが、菌 B と菌 C は + 体のみを産生する。このように異なる立体異性体が産生される仕組みを解明するため、推定生合成前駆体の取込実験を行った。 共同研究者らが notoamide B などの推定生合成前駆体である notoamide S の取込実験を菌 B に対して行ったところ、期待通り notoamide B などの化合物が生合成された。そこで、我々も菌 A に対して notoamide S の取込実験を行ったが、期待した化合物は生合成されなかった。現在、取込実験の条件検討を行っている。なお、これまでは天然物としては存在の認められていなかった notoamide S を、今回、菌 B の代謝産物中から見出すことに成功した。これにより、notoamide S を含む推定生合成経路が実際に存在することが支持された。 また、これまでに notoamides の生合成研究のために推定生合成前駆体の取込実験を行う中で、多くの新規化合物が得られた。それらの化合物の中には、(±)-6-epi-notoamide T の取込実験で得られたオキサゾール環を有する化合物など、新規な骨格を有するものも含まれている。Notoamides の生合成経路における特定の化合物が過剰に存在する条件下、何かしらのメカニズムで新たな生合成経路が活性化されたものと考えている。
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Research Products
(2 results)