2013 Fiscal Year Annual Research Report
ボロン酸による核酸末端構造認識を利用した核酸検出プローブの開発研究
Project/Area Number |
24710264
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 到 東京工業大学, 生命理工学研究科, 東工大特別研究員 (40460133)
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Keywords | RNA検出 / フェニルボロン酸 / 核酸化学 / ボロン酸エステル / 蛍光 / 光誘起電子移動 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究課題では、フェニルボロン酸とジオールの間でボロン酸エステルが形成される反応を利用し、RNA3’末端のシスジオール構造を認識し、標的配列とハイブリダイゼーションしたときのみ蛍光発光を発するRNA検出プローブの開発を行った。平成24年度はフェニルボロン酸部位と蛍光発色団であるアントラセン構造を併せ持つオリゴデオキシリボヌクレチドの合成を行い、プローブの合成を行うことが出来た。このプローブは、標的となる核酸がない時、プローブに導入された蛍光発色団はPET現象により消光されているが、標的核酸と二重鎖を形成しシスジオール構造との間にボロン酸エステルが形成されると、PETが解消され蛍光発色団の蛍光が回復し、標的を検出できる仕組みを持つ。合成したプローブに対して標的核酸(3’末端にシスジオール構造をもつRNAを組み込んだ配列、シスジオール構造をもたないDNAのみからなる配列)をハイブリダイゼーションさせシスジオール構造の有無による蛍光強度の変化を調べたところ、3’末端にシスジオール構造を有するときのみ蛍光発光強度が増大することがわかった。この結果から本研究課題で提案した機構でRNAの検出が可能であることがわかった。 平成25年度は、24年度にプローブの合成に関して収率が低いことおよび再現性が低いことが問題点であることが明らかになっていたため、これを改善するために種々の検討を行った。プローブに蛍光発色団およびボロン酸部位を導入するステップに問題があることがわかったため、このステップの改善に取り組んだ。現状では再現性に難点があるため更なる検討が必要である。
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