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2012 Fiscal Year Research-status Report

脂肪酸誘導性細胞死を利用した細胞小器官に局在するPKCの機能解析

Research Project

Project/Area Number 24710268
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

田村 結城  独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 客員研究員 (50442984)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
KeywordsプロテインキナーゼC / 脂肪酸 / 細胞死 / リン酸化
Research Abstract

脂肪酸は細胞死誘導能を持つと共に,プロテインキナーゼ(PKC)を活性化させることが知られている.本研究では特に,脂肪酸で活性化され,細胞小器官に移行するPKCに注目し,脂肪酸を利用して細胞小器官でのPKCの活性化機構と,PKCによる新しい細胞死制御機構を解明し,PKCが関与する疾患の病態解明や治療法を提示することを目指している.
本年度は,がん細胞選択的に細胞死を誘導することが知られているガンマリノレン酸(GLA)に関して,AlamarBlueTM assayにより細胞死誘導能を評価した.さらに細胞死への関与が報告されている代表的なPKCサブタイプ(alpha,gamma,delta,epsilon,zeta)を選択し,遺伝子クローニングと,Venus(蛍光タンパク質)融合タンパク質の発現ベクターを作製した.HeLa細胞を用いた過剰発現系を構築し,GLA処理後の種々PKCサブタイプの局在変化を,共焦点レーザー顕微鏡を用いて評価した.
AlamarBlueTM assayにより細胞死誘導能を評価した結果,GLAはがん細胞選択的に細胞死を誘導した.GLA処理後の種々PKCサブタイプの局在変化を観察した結果,PKCalphaとgammaは特に局在変化を示さなかった.一方PKCdeltaとzetaは,GLAを長時間処理すると,核近傍に集積する様子が観察された.脂肪酸処理時に核近傍で観察される脂肪油滴(lipid droplet)を染色するNile Redとの共局在は観察されなかったことから,他の細胞小器官(ゴルジ体,小胞体,ミトコンドリア等)に移行していると考えている.当初の計画通り,細胞死を誘導する脂肪酸が,PKCを細胞膜以外のオルガネラへ移行させることが示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定していた細胞死の判定とPKCサブタイプalpha,gamma,delta,epsilon,zeta)の遺伝子クローニング,Venus(蛍光タンパク質)融合タンパク質の発現ベクターの作製が完了し,HeLa細胞を用いた過剰発現系と共焦点レーザー顕微鏡を用いたアッセイ系の構築にも成功している.しかし脂肪酸は光と空気によって容易に酸化されることから,再現性が得られないこともあり,quality controlに注意を払う必要があった.そのため本年度はGLAについてのみの検討となったが,他の脂肪酸に関しても検討する準備は整っており,おおむね順調に進んでいると考えている.

Strategy for Future Research Activity

24年度に引き続き,脂肪酸の細胞死誘導活性のスクリーニングとPKCサブタイプの局在変化の観察を行なう.さらに今年度は脂肪酸との結合,局在変化に関与するPKCのドメインの解析を行なうため, SPRを利用した分子間相互作用解析装置(Biacore)を用いて評価する.細胞死への関与が知られているタンパク質と,PKCが移行する細胞小器官に着目し,二次元電気泳動と質量分析によるPKCの基質の同定と機能解析を行ない,脂肪酸誘導性細胞死におけるPKCの役割を解明する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は脂肪酸の細胞死誘導活性のスクリーニングと,PKCサブタイプの局在変化の観察を引き続き行なう計画であり,細胞培養用試薬やプラスチック消耗品を購入する.また昨年度検討できなかった細胞内局在の判定のための,各種オルガネラマーカー(ゴルジ体,小胞体,ミトコンドリア等)や,スクリーニングで用いる各種脂肪酸の購入を予定しており,次年度に計上した.前述のように25年度は,タンパク質関連の解析が中心となるため,タンパク質解析用試薬を主に購入する.旅費は研究成果の発表のために使用し,個人で行なう研究のため,謝金は外国語論文の校閲費のみに使用する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] PKCalpha活性化阻害剤IB-15Aの構造活性相関と作用機序解明研究2012

    • Author(s)
      田村 結城,平井 剛,酒井 基成,大窪 恵,袖岡 幹子
    • Organizer
      日本ケミカルバイオロジー学会 第7回年会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20120607-20120609

URL: 

Published: 2014-07-24  

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