2013 Fiscal Year Research-status Report
非帰結主義の論理を踏まえた消極的安楽死の是非に関する研究
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24720002
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
有馬 斉 横浜市立大学, 国際総合科学群, 准教授 (50516888)
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Keywords | 国際情報交換 シンガポール / 非帰結主義 / 安楽死 / 尊厳死 / 終末期医療 |
Research Abstract |
終末期医療の倫理にかかわって、とくに本人の意向が不明である場合の治療決定方針のありかた、移植医療とのかかわり等について、文献のレヴューおよび分析を行い、成果の一部は下記を含む書籍、論文、国内外での学会報告として発表した。 【書籍、共著】(3点)1. 浅見昇吾、盛永審一郎編、『教養としての応用倫理学』 、丸善、2013年; 2. Akira Akabayashi ed., The Future of Bioethics: International Dialogues, Oxford University Press, 2014; 3. 伏木信次他編、『生命倫理と医療倫理』、金芳堂、2013年3月 【論文】(5点)1. 有馬斉、「道徳用語の外延の曖昧さは実在論の擁護に役立つか」、『倫理学研究』(関西倫理学会)、43、2013年; 2. 長谷川真里、有馬斉、唐沢穣、高橋征仁、外山紀子、「道徳判断研究の最前線」、『法と心理』(法と心理学会)、13(1)、2013年; 3. 有馬斉、「治療方針の決定における家族の役割とは」、『The Lung Perspectives』(メディカルレヴュー社)、21(4) 70(382)-73(385)、2013年; 4. ARIMA Hitoshi, NAKAYAMA Takahiro, "A Notable Discrepancy bewteen Principle and Practice in Family Decision Making," Asian Bioethics Review (National Univesity of Singapore), 2013, 5(2).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、終末期医療の倫理に関して倫理学上の有力な見解をふまえて、実践的な問題への解決につなぐ分析と議論を行う計画だった。昨年度はこの目的にそって、いくつかの論文の執筆を進めることができた。またとくに判断能力を欠く患者のための治療方針の決定の過程について昨年度行った国際学会報告の内容を論文としてまとめることができた。 主な成果として、1. 有馬斉、「治療方針の決定における家族の役割とは」、『The Lung Perspectives』(メディカルレヴュー社)、21(4) 70(382)-73(385)、2013年; 2. ARIMA Hitoshi, NAKAYAMA Takahiro, "A Notable Discrepancy bewteen Principle and Practice in Family Decision Making," Asian Bioethics Review (National Univesity of Singapore), 2013, 5(2).などがあった。 以上の理由から当初の計画通り、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
一昨年度集中的にレヴューを行った先行研究の内容について、依然として研究報告や論文としてまとめきれていない部分があるため、これらを今年度はさらに分析を加え、研究報告および論文にまとめる。とくに、(1)Thomas Hill Jr.、David Velleman、Jeff MacMahan、Frances Kammといった非帰結主義者が終末期医療の倫理をめぐって展開している議論について、これらの議論のなかで人格概念が果たす役割、人格を尊重することには行為の帰結(行為が関係者の利益に及ぼす影響)とは独立した価値があるとするかれらの主張の根拠、などの点に関して、これらの研究者による議論を比較しながら検討を進める。また、(2)消極的安楽死の合法化に関して、それが社会的弱者にリスクを負わせることになるとする批判がある点についても、研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表等、旅費を要する状況が当初計画より少なかったため 国際学会における発表を予定しているため、そこで使用する予定である
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