2014 Fiscal Year Annual Research Report
非帰結主義の論理を踏まえた消極的安楽死の是非に関する研究
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24720002
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
有馬 斉 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (50516888)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自殺幇助 / 消極的安楽死 / 尊厳 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、第一に、安楽死や自殺幇助は死亡することになる病人の尊厳を冒すから道徳的に正当化できない場合があるとする見解について、代表的な議論とそれにたいする批判を整理するとともに、主な批判に応えることでそうした見解を擁護できるか検討し、成果の一部を論文や学会報告として発表した。第二に、とくに消極的安楽死の合法化について、社会的弱者にリスクを負わせる危険があることを指摘する批判を、代表的な文献にそって整理し、論文として発表した。第三に、終末期の臨床における決定にかかわって事前指示書を利用したりその作成を推奨したりすることの妥当性について、代表的な議論を整理し、英語で出版される百科事典の項目としてまとめた。その他、生命倫理分野の教科書の執筆(共著)、国内外の臓器移植関連政策の倫理的問題点に関する国際学会報告などを行った。成果の一部の詳細は下記のとおりである。
1. L. De Castro, H. Arima et al., "Contemporary Ethical Challenges to Organ Transplantation in Asia," World Congress of Bioethics, 2014, June 27, Mexico City, Mexico (国際学会における報告) 2.有馬斉, 「尊厳死の合法化は社会的弱者にとって脅威か」, 『SYNODOS』2015年2月(オンラインジャーナル) 3.有馬斉, 「自殺幇助は人格の尊厳への冒涜か: ディヴィッド・ヴェレマン自殺批判の検討」, 『倫理学年報』(日本倫理学会編)、64集、2015年(校正済、出版予定)
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Research Products
(8 results)