2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24720020
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
竹花 洋佑 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (60549533)
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Keywords | 哲学 / 日本哲学 / 田辺元 / 西田幾多郎 / 象徴 / 共同性 / 死 |
Research Abstract |
平成25年度に行なわれた研究内容は、(1)平成24年度に実施された研究内容の公開(論文および招待講演での発表)と(2)田辺哲学における「象徴」概念の発展史的解明との2点に区分される。 (1)論文「生と論理―田辺の西田批判と『種の論理』の意味―」および招待講演「田辺哲学における<生>の問題」は、上で述べたように平成24年度に行なわれた研究内容を公開したものであり、田辺の「象徴」概念の解明を目指す本研究の目的との関係でいえば、「象徴」概念を解明するための基礎研究にあたる。すなわち、<象徴・絶対無・死>と<表現・存在・生>という後期田辺哲学の基本的枠組みが形成されていく現場、つまりなぜそのような対立図式が形成されたのかを明らかにしたのがこれらの研究である。 (2)「象徴」概念の発展史的解明は、当初の2年次の計画の通り主に後期田辺哲学のテキストの読解作業が中心的な研究となった。具体的には、『懺悔道としての哲学』『実存と愛と実践』『キリストの辯証』『哲学と詩と宗教』を主なテキストとして「象徴」概念の意味の変遷を辿り、これと「実存協同」の概念とのつながりを整理した。また当初の研究計画では必ずしも明確とはなっていなかった、同時代の哲学者からの相互影響という視点から「象徴」の意味をとらえ返す研究も行なった。また、平成24年度からの継続課題としてヤスパースの哲学からの影響という観点からの研究も行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
後期田辺哲学の読解の作業はハイデガーの哲学との比較という視点から行なわれる予定であったが、この点に関しては必ずしも十分な研究を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイデガーとの比較に関しては、本研究の目的である「象徴」概念の解明に必要なかぎりにとどめることにして、平成26年度実施予定の研究に支障をきたさないように配慮したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の研究経費は全て物品費にあてられており、研究遂行に必要な物品は全て購入したため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は物品費の購入にあてられる予定である。
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