2014 Fiscal Year Annual Research Report
ブーシェによるボーヴェ製作所のタピスリー研究:下絵と関連素描のカタログ化の試み
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24720042
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
小林 亜起子 東京藝術大学, 美術学部, 助手 (00618275)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素描 / 装飾美術 / タピスリー / ブーシェ / ロココ / 18世紀美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ボーヴェ製作所で織られたブーシェの下絵に基づくタピスリーに関連付けられる下絵・素描を網羅したカタログの作成を遂行した。今年度はカタログ作成の上で作品調査が不可欠であった海外の美術館・美術展に赴き実見に基づく調査を実施するとともに、国際シンポジウムにて本研究の成果の一部をとりあげた口頭発表を行った。 春期には、パリに滞在し、主に3つの調査研究を行った。第一に国立動産管理局で開催されていた18世紀のタピスリー展、ブーシェのタピスリーを所蔵するシャンティー城にそれぞれ赴き作品調査を実行した。第二に、ロココの装飾美術・タピスリーに関する最新の研究状況の把握するためにパリで行われた研究会に参加した。第三に、ルーヴル美術館の装飾美術部門を見学しタピスリーに関する所蔵品調査を行った。タピスリーの展覧会・美術館での調査を通じて作品をまとまったかたちで観察することができたことは非常に有益であった。また、シンポジウムの参加等を介して、タピスリーの研究者と議論する機会を得、本研究を遂行する上での基盤となる最新の研究動向・資料を把握し、研究者同士の意見交換を行うことができた。秋期には、ロンドンに滞在し、ブーシェのタピスリーの下絵を所蔵するウォレス・コレクションにて、過去の実見調査期間に調べきれなかった作品の調査を遂行した。冬期には、パリのフランス国立美術研究所(INAH)で行われたタピスリーに関する国際シンポジウムにて、本研究の成果に関連するブーシェのタピスリーについて口頭にて発表した。 上述の実見調査に基づき、過去3年間にわたる資料収集・作品調査を精査し、まとめる作業を行った。一連の成果に基づく成果としては、国際シンポジウムにて口頭発表、本研究に関連する論文の執筆・公刊、本研究の成果を組み込んだ研究書(2015年春期刊行予定)である。
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Research Products
(5 results)