2015 Fiscal Year Annual Research Report
変容するインド北東部の音楽祭と若者の文化的アイデンティティに関する音楽民族学研究
Project/Area Number |
24720063
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岡田 恵美 琉球大学, 教育学部, 講師 (60584216)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インド北東部 / ナガランド / ナガ / 文化政策 / 音楽祭 / 少数民族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、インド北東部ナガランド州にて8月に3週間にわたって現地調査を実施した。首都コヒマでは、ポピュラー音楽振興政策の立役者である州政府の担当者や、少数民族芸能の観光資源化を推進している同じく元州副長官へのインタビューを行った。長年、インドからの分離独立運動が続いた同州で、従来の「紛争地域」のイメージからの脱却を促し、音楽や芸能を通した文化政策や観光政策で新たな雇用や産業が生み出されている現状がそこから明らかとなった。特に、州政府によるポピュラー音楽振興政策は、若手ミュージシャンの海外公演支援や、国際ロックフェスティバルの主催事業等、単なる若者のガス抜きの場や一過性の事象ではなく、持続可能な音楽産業の萌芽を齎し、ナガランド州の音楽文化を変化させている状況を調査から緻密に描き出した。 大国インドの中で、ナガランド州は、地理的にも、宗教的にも、民族的にもマイノリティである少数民族ナガが多数暮らす地域である。そうしたナガランド州の現在進行形の音楽文化の変容に着目した点が、本研究の特徴であり、フィールドワークに基づく緻密な記録を、論文や映像作品として公開できたことは特筆すべき点である。 研究成果は、学会誌への掲載をはじめ、映像作品としての公開(学会での上映、現在webを通して一般に公開)、また学会でも口頭発表を複数回行った。
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Research Products
(3 results)