2012 Fiscal Year Research-status Report
映画史および映像理論における「不動性」の系譜をめぐる研究
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24720081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
堀 潤之 関西大学, 文学部, 准教授 (80388412)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 映画理論 / 写真と映画 / フランス映画 |
Research Abstract |
(A)不動性をめぐる映像理論小史、(B)不動性の映画史、(C)現代美術の映像作品における運動と不動という本研究の三本柱のうち、とりわけ(B)および(C)の研究を重点的に進めた。 まず、(C)については、まだ具体的な成果として結実していないものの、関連資料の収集に努めるなど下準備を行った。 (B)に関しては、佐藤真のドキュメンタリー作品である『阿賀に生きる』と『SELF AND OTHERS』における写真の力を論じた論文を発表したほか("La puissance de la photographie : A propos de deux films de Makoto Sato")、フランソワ・トリュフォーの全作品を対象として、頻出する「写真」のモチーフを映画・フェティシズム・死の3点からとらえた論文が刊行予定となっている("Truffaut and the Photographic: Cinema, Fetishism, Death")。また、ドイツの実験的な映像作家ハルーン・ファロッキの作品分析も行い、その成果の一端を講演のかたちで発表した(「ハルーン・ファロッキ、あるいは映像の「読解」――『猶予期間』(Aufschub / Respite, 2007)を見る」)。その他、ジャン=リュック・ゴダールの日本受容についての研究、フランス映画における演技指導の問題など、派生的なテーマについての論文執筆や講演を行い、今後の詳細な作品研究の布石として、『右側に気を付けろ』およびソニマージュ初期作品(『ヒア&ゼア』『パート2』『うまくいってる?』の3作品)のDVD解説原稿の執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(C)現代美術の映像作品における運動と不動に関して、当初は平成24年度にヨーロッパの諸機関の視察を行う予定だったが、残念ながらテーマにそぐう適切な展覧会があまり多く開催されておらず、海外出張を見送った。そのため、文献や映像資料による調査しか行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行えなかった海外視察を、平成25年度以降に時宜を見て行う予定である。また、本研究全体の重要な参照項のひとつとなっているニューメディア研究の基本図書であるレフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語』の翻訳刊行を平成25年度に予定している。その他については、予定通り研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、平成24年度に行えなかった海外視察を行う予定である。また、研究の三本柱のうち(A)不動性をめぐる映像理論小史に重点を置くつもりなので、図書資料の購入に多くの研究費を費やすことを予定している。
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Research Products
(8 results)