2012 Fiscal Year Research-status Report
草創期から占領期における日本アニメーション映画史研究
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24720083
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐野 明子 桃山学院大学, 国際教養学部, 講師 (40514039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アニメーション映画 |
Research Abstract |
占領期のアニメーション映画についての筆者の論考が、査読付き学会誌『アニメーション研究』に掲載決定(論題:「教育映画」が護ったものー占領期日本におけるアニメーション映画試論)。この論文は占領期のアニメーション映画がいかに芸術や社会(とくに「教育」)と関わりながら変遷したかを明らかにしたものである。分析手法としては、アニメーション映画学、映画学、社会学で培われた分析方法を横断的に吸収し、発展的に構築するものであった。 一次資料は、米国国立公文書館、阪急学園池田文庫、国立国会図書館、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、東京国立近代美術館フィルムセンター等で収集した。とくに本テーマに関する米国国立公文書館での調査は筆者が日本で初めて行ったものであり、その重要な成果を論文に反映させた。調査期間は今回は約1週間であったが、以前に3週間にわたって調査した資料があり、あわせて論文に使用した。 言説資料を収集するさいには、調査年の映像作品を事前に見て、言説分析と映像分析を並行して行った。このようにして調査していくなかで『ムクの木の話』(丸山章治、1947年)がアニメーション映画史全体の結節点となる作品であることがわかったため、とくに詳細な映像分析を行い、実証することができた。 草創期のアニメーション映画についての論考は、現在進行中である。分析手法には、アニメーション映画学、映画学、社会学だけでなく、芸術学等も採り入れる過程に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
占領下日本におけるアニメーション映画研究の論考は、査読付き学会誌に掲載することで終了した。現在はすでに草創期のアニメーション映画研究を進めているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
草創期のアニメーション映画研究を行う。そのさいに用いる分析手法は、今後は芸術学等、さらに広い分野で培われた分析手法もあわせてとりいれたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東京等、遠隔地における調査のために用いる。また、書籍やDVDの購入にも用いる。
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