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2013 Fiscal Year Research-status Report

近世初期の堂上における『万葉集』受容について

Research Project

Project/Area Number 24720096
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

大石 真由香  奈良女子大学, 古代学学術研究センター, 協力研究員 (40624060)

Keywords万葉集 / 北村季吟 / 万葉拾穂抄 / 禁裏御本 / 陽明文庫
Research Abstract

本研究は、これまで顧みられることの少なかった『万葉集』の受容の様相について、本格的な『万葉集』研究の始まる近世初期に目を向け、『万葉集』写本とその注釈のありようを検討するものである。この時代、地下歌人らによる『万葉集』研究と、堂上歌人による『万葉集』の書写・利用がいずれも盛んに行われるようになる。この双方の動きが互いに影響しあって一時代の『万葉集』受容の様相を形作っていることを念頭に置き、堂上・地下双方の『万葉集』受容のありようを、文献調査を行うことによって検討した。25年度の研究実績は以下の通りである。
1,岩瀬文庫本『万葉拾穂抄』巻四を翻刻・公表した。岩瀬文庫には、北村季吟自筆と目される『万葉拾穂抄』巻一・四が所蔵される。当該本は、江戸期に流布した刊本『万葉拾穂抄』とは異なった注釈内容が見られ、刊本の浄書以前の季吟の説が知られる。巻一は平成21年3月に『叙説』36号に翻刻し公表したが、巻四は未だ世に出ていなかった。25年度、岩瀬文庫に通い、翻刻を完成した。
2,陽明文庫所蔵「古活字本万葉集」禁裏御本書入について、巻三、四の調査を終えた。さらに、院生アルバイトを雇用し、『校本万葉集』を用いて京大本の禁裏御本書入及び諸本の訓の異同を調査した。現在、調査途上ではあるものの、諸本の禁裏御本書入のデータベース化に向けて基本的な枠組みを構築できたと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

岩瀬文庫本『万葉拾穂抄』巻四を翻刻・公表したことにより、「国学」へと繋がる地下の『万葉集』研究の先駆けとして位置づけてきた北村季吟の『万葉集』研究についての検討に区切りをつけることができた。一方、陽明文庫所蔵「古活字本万葉集」禁裏御本書入についての調査は途上であるものの、アルバイト雇用によってデータベース化に向けての基本的な枠組みを構築することができたことは大きな成果であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

26年度は陽明文庫所蔵「古活字本万葉集」禁裏御本書入の巻五以降の調査を進める。一方、北村季吟が刊本『万葉拾穂抄』を著すにあたって底本とした藤原惺窩校正本『万葉集』の調査を行い、堂上と地下それぞれの『万葉集』受容の接点について検討することにより、近世初期の『万葉集』受容の全体像を捉えたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度はおおむね計画通りに調査が進行したが、前年度未使用分の旅費が差額として残った。
次年度は調査効率向上のため、資料の写真を得られるものについては、複写依頼をして紙焼きを手元に置いて調査を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 岩瀬文庫本『万葉拾穂抄』解題と翻刻(下)2014

    • Author(s)
      大石真由香
    • Journal Title

      叙説

      Volume: 41 Pages: 85-147

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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