2013 Fiscal Year Research-status Report
近世初期観世流謡本刊本変遷過程をめぐる研究ー玉屋本の書誌的研究を中心にー
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24720107
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
伊海 孝充 法政大学, 文学部, 准教授 (30409354)
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Keywords | 能楽 / 謡本 / 書誌学 |
Research Abstract |
2013年度は、2012年度に引き続き、古活字玉屋本・整版玉屋本の所在調査を行なった。その結果、上野学園日本音楽史研究所と東京都立図書館が所蔵していることがわかり、その調査ならびに写真撮影を行なった。 それらの調査を踏まえ。古活字玉屋本と整版玉屋本の比較検討、整版玉屋本諸本間の比較検討を行ない、玉屋本諸本の関係を明らかにする研究を進めた。 その成果は、能楽学会9月例会で口頭発表し、さらに『能楽研究』38号(2014年4月刊行予定)に論文として掲載する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果は口頭発表と論文で公にしており、その点はおおむね順調に進んでいる。ただし、同時進行で行なっている玉屋本全冊の翻刻作業が遅れ気味である。それは、玉屋本諸本の比較考察が、当初の予想よりもかなり煩雑であり、調査結果を整理するのにかなりの時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は予定通り、以下の2点の研究を進める。 1つ目は、玉屋本と他の観世流謡本との比較検討である。すでに着手している光悦謡本・元和卯月本・寛永中本との比較を中心に行なう予定である。 2つ目は、古活字玉屋本と他の古活字本との比較である。それを行なうことで、玉屋本の出版背景をならべく具体的に把握できるようにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた調査旅行が校務の都合で実施することができかったこと、購入予定の書籍が入手できなかった(品切れ)ことが主な理由である。 前年度予定の調査旅行を実施し、再版された書籍を購入することで使用する予定である。
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Research Products
(2 results)