2014 Fiscal Year Annual Research Report
第一次世界大戦勃発100周年のために:現代イギリスにおける大戦の記憶の行方
Project/Area Number |
24720121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
霜鳥 慶邦 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (10400582)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イギリス文学 / 第一次世界大戦 / 記憶 / ベルギー / コメモレーション / ツーリズム / モニュメント / ミュージアム |
Outline of Annual Research Achievements |
6月8日、日本ロレンス協会45回大会シンポジウム「第一次世界大戦の記憶におけるロレンスの位置」において、第一次大戦の記憶におけるD.H.ロレンスとウィルフレッド・オウェンの関係について発表した。8-9月に、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツにて現地調査を行い、大戦100周年をめぐる各国の文化現象の比較研究のための情報・資料を収集した。12月21日、日本英文学会関西支部第9回大会シンポジウム「第一次世界大戦開戦100周年」において、大戦100周年の現在のイギリスにおける歴史の教育、記憶の継承、戦争詩の解釈の関係について論じた。発表内容は、『ポスト・コロニアル・フォーメーションズⅩ』(2015年5月発刊予定)掲載予定の論文にまとめた。2月21日、第5回カルチュラル・トラジェクトリーにおいて、ベルギーのイーペルにおける大戦の歴史と記憶のあり方について発表した。発表内容は、『カルチュラル・スタディーズ』Vol.3(2015年6月発刊予定)掲載予定の論文にまとめた。 第一次大戦100周年という決定的瞬間の歴史的意義を明らかにすることを目的とする本研究は、大戦の記憶の100年の系譜と、大戦100周年の現在進行形の様々な現象を射程に入れ、文学、映画、テレビ、ツーリズム、ミュージアム、コメモレーション、現代戦争、報道といった複数の領域を横断しながら総合的な考察を行うことで、現在進行中の記憶のダイナミクスとその歴史的意味を明らかにした。当初の研究目的を十分に達成できたと同時に、大戦の記憶研究に大いに貢献できたと確信している。
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