2013 Fiscal Year Research-status Report
活人画流行の実態とその文学表象研究――19世紀半ばから20世紀初頭を中心に
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24720132
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
浦野 郁 共立女子大学, 文芸学部, 講師 (80612746)
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Keywords | 活人画 / ヴィクトリア朝 / イギリス小説 / 黎明期の写真技術 |
Research Abstract |
当該年度前半は妊娠中のためイギリスでの現地調査等は行えなかったので、2012年度に収集した資料の読解・分析を中心に行った。これにより、イギリスおよびアメリカでどのように活人画が行われてきたかについて、かなりの程度まで史実を知ることが出来た。またその過程で、活人画には芸術性を追求する側面と、裸体を展示する口実としての側面という、二つの一見相反する要素が初期の頃より見られたという興味深い事実が判明した。さらに、活人画と黎明期の写真技術の強い関連性が明らかになったため、写真の歴史についての総説的な資料を読むことにより、活人画について更に多角的な視点から考えるヒントを得た。 また資料を読み解く過程で、初年度より関心を深めてきた、活人画作品を多く撮っているヴィクトリア朝期の写真家Julia Margaret Cameronをモデルとした小説_The Luminist_(現代のアメリカ人作家によるもの)に出会い、この本に関する書評が出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活人画に関する資料は応募時に予測したほど手に入れにくいものではなく、初年度の現地調査では多くの一次資料を集めることが出来たため、活人画流行の実態については大まかな歴史的流れを把握することが出来た。しかし、当該年度8月より育児休業に入っているため、この年度の目標であった活人画を描いた文学作品を多く見つけるという点では計画に遅れが出ている。ただし、すでに知られている作品数点については随時読み進め、活人画の場面がどのような意味を持つか比較・検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業期間終了後には再びイギリスに赴き、活人画を描いた文学作品をより多く見つけ、読解していきたい。また学会及び専門誌等で少しずつ研究成果を発表し、他の研究者からアドバイスを得たり、情報交換したりしていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
育児休業中で研究を休止しているため。 育児休業期間終了後、国内外での資料収集や研究発表のために使用したい。
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Research Products
(1 results)